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中国人作家が描く 絵本の世界(中)

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 伝統芸術をモチーフに

 

中国を代表する絵本作家の1人、熊亮。

小さい頃から水墨画に親しんでいましたが、

何と絵を専門的に学んだことがないのだとか。

自分の子どもが生まれた20代後半頃に絵本の創作に目覚め、

作品作りに専念しようと、貿易関係の会社を辞めたそうです。

自ら、何にでも興味を持つタイプだと話すように、

作品によって新しい表現に挑戦する作家です。

 

彼はまた、水墨画や京劇、切り絵など、

中国の伝統芸術からインスピレーションを受けて創作をすると言います。

ネコが京劇を演じる『京劇猫』や、

中秋節にお供えするウサギの人形を主人公にした『兔児爺』など、

中国文化をモチーフにした作品がたくさん。

中でも、第1作目の『ちいさなこまいぬ(小石獅)』は、

小さいながらも誇り高く、

愛情いっぱいに街を見守ってきた狛犬をやさしく描き出しています。

この作品が一番好き、というファンが多いのも納得の1冊です。

 

カフカの作品を絵本で

 

可愛らしい真ん丸ボディのキャラクターが登場する絵本を読んだ後には、

想像がつきにくいでしょうが、

実は熊亮は、少々気味が悪かったり、

怖かったりする絵も好きなのだそうです。

大雨が降り続く街に住む人々のお話

『梅雨怪』、『梅雨怪2』を読むと、

美しくも不気味な熊亮ワールドを覗くことができます。

 

また、不条理な小説で知られるドイツの作家、フランツ・カフカの『変身』を

『変形記』、『断食芸人』を『飢餓芸術家』という絵本で表現しており、

こうした作品群も独特の怖さを持った仕上がりとなっています。

1冊1冊、異なった顔を見せる熊亮の絵本。

中国文化に親しみたい時、

異世界を垣間見たい時など、

彼の絵本を開けば、様々な世界に遊びに行けることでしょう。

 

 

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画家として高い評価

 

陳江洪は、北京の美術大学を卒業後、パリに留学。

そのまま向こうで創作を始めたという、

ほかの絵本作家たちと比べると、

少し変わった経歴を持つ作家です。

元々、画家として活動し、高い評価を受けていましたが、

ある本の挿絵の仕事をきっかけに、

オリジナル作品を手掛けることになったそうです。

 

彼の作品の特徴は、何と言っても水墨画の技法を使った迫力ある絵。

幽玄で美しい山水に、荒々しい動物、ごうごうと燃え盛る炎…。

ページをめくる度、まるで絵画を鑑賞するように、

じっくりと見入ってしまいます。

モチーフとなるのは、中国の神話や民間に伝わるおとぎ話など。

例えば『ハスの花の精リアン(小蓮)』は、

貧しいけれど善良な漁師とリアン、

とても欲張りな王様とお姫様が、

鏡合わせのような存在として登場します。

欲張り者には恐ろしい罰が当たるのが、おとぎ話の常。

怖い結末は、子どもだけではなく、

大人の心をも揺さぶることでしょう。

 

独ブックフェアで受賞

 

そのほか、彼の作品は、

ドイツのブックフェアで受賞しています。

8世紀の中国に実在した天才画家ハン・ガンが描いた絵画から、

馬が飛び出して戦場へ駆けていくお話

『この世でいちばんすばらしい馬(神馬)』、

子どもを殺され、憎しみから人を襲うようになったトラと、

それを静めるために差し出された幼い王子のお話

『ウェン王子とトラ(虎王子)』は、

同年に受賞し、ヨーロッパを中心に各国で翻訳されています。

 

出来上がりに納得がいくまで、

じっくりと時間をかけて作品を作り上げていくという陳江洪。

決して多作ではありませんが、

彼の芸術家、作家としてのこだわりが詰まった絵本は、

絵の力というものを私たちに教えてくれます。

 

~広東ジャピオン2014年7月14日号

 

 

 

 

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