天然的生活 第108回 ~豆蔻(ナツメグ)

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胃腸に優しいナツメグ

 

独特の甘い香りと、ほろ苦い味わいが特徴のナツメグ。

日本では、ハンバーグやミートローフなどの

挽き肉料理に欠かせない香辛料の1つとして知られている。

 

ナツメグは特に身体を温める効果があり、

冷え性の女性にオススメの生薬とされる。

また、消化器系に効果を発揮し、

整腸作用、腸内ガスの抑制、下痢防止の効能も期待できる。

日本では、太田胃散やパンシロンなどの家庭常備薬に配合。

 

漢方では、芳香性健胃薬として処方され、

口臭予防効果もあるとか。

ただし、身体を温める働きがあるので、

体温の高い人や寝汗をかく人は摂取を控えよう。

また、多量摂取は痙攣や幻覚を引き起こす恐れがあるので、注意が必要。

 

中国でナツメグは、その甘い刺激性の香りで肉の生臭さを消し、

冷蔵庫のない時代には肉の保存剤として用いられてきた。

中国の家庭では、豚足のスパイス煮込みや牛肉麺のスープなどに、

味付けのアクセントとして用いている。

また、ナツメグを使う名物中華料理としては、

河南省の「道口焼鶏」や、モンゴル火鍋などが有名。

 

蒸し暑いこの季節。

夏バテなどで胃腸の調子が良くない時は、

ナツメグをスパイスとして料理に取り入れ、

ガッツリと肉料理を楽しもう。

 

~広東ジャピオン2014年6月30日号

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