天然的生活 第158回~草石蚕(チョロギ)

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367 天然 ネット用

 

冬の乾燥防止のチョロギ

 

チョロギは、中国原産のシソ科の多年草で、日本へは江戸時代に伝来した。

日本では、赤く漬けたチョロギを縁起物として、おせち料理の1品に加える。

また一般的には、天ぷらや吸い物にして食べられる。

主に根茎を食し、ユリ根に似た食感と、生姜のようなピリッとした辛さが特徴。

 

チョロギは、スタチローゼやグルタミン、

アルギニンなどの薬効成分を含むため、

五臓の緊張を和らげ、整腸作用、滋養強壮が期待される。

中医学書『本草網目』では、

風邪の予防や、血流の促進、精神の安定作用があると記される。

また、肺を潤し、咳を止め、皮膚の乾燥を抑える働きがあり、

関節の痛みや皮膚の痒みの緩和にも有効という。

 

中国でチョロギは、風邪、咳、腰痛、肺疾患などの症状改善を目的に食される。

なお、豚肉細切れとチョロギを一緒に煮たものを、

冬場の乾燥を予防する薬膳スープとして飲む習慣がある。

ただし、漢方学では、身体を潤す効果があると考えられているため、

下痢をしやすい人や痰のからむ咳の出る人は、食さない方がよいようだ。

 

乾燥からくる風邪や肌トラブルなど、冬場の悩みに有効と言われる成分を、

豊富に含むチョロギ。天ぷらや吸い物などでおかずに取り入れ、乾燥対策してみては。

 

 

~広東ジャピオン2015年8月24日号

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