水滸巡礼~108の足跡~燕青(えんせい) 第11回

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多芸多才の美男子

最後まで義を尽くす

 

燕青は、伊達男を意味する「浪子」なるあだ名をもち、

細身で色白の美男子であった。

射撃用の武器「弩(ど)」の名手で、拳法の腕も立つ。

また、武芸だけでなく楽器や歌、学問にも長け、多芸多才な青年であった。

 

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泰山の麓にある岱廟は、皇帝が泰山に登る際、

必ず立ち寄った場所。

「中国4大古建築群」のひとつに数えられる



燕青は幼くして孤児の身となったが、資産家の盧俊義に拾われた。

盧俊義は彼に武芸や学問を習わせ、大切に育てたため、

燕青は成長するにつれ、彼に絶対的な忠義を誓うようになった。

そんなある日、盧俊義のもとに、

梁山泊の呉用(ごよう)が、占い師に扮して訪ねてきた。

そして、盧俊義を仲間に引き込むため、彼の顔に剣難の相があると告げ、

山東省泰安に行って厄を払うよう促す。

燕青は、盧俊義が泰安に行き、

悪党の巣窟である梁山泊付近を通るのは危険だと進言するも、

盧俊義はこれを聞き入れず、番頭の李固(りこ)を伴って出発し、

燕青は留守番を任される。

やがて、李固らが戻って来たが、盧俊義の姿がない。

もともと私心のあった李固は、盧俊義がいない間に、

彼を役所に訴え、店を乗っ取っていたのだった。

そして、李固の計略で盧俊義は捕らえられる。

燕青は護送される彼を追い、弩で護送役を打ち取った。

その後、盧俊義はまたも捕らえられるが、梁山泊の援助を得て助け出される。

2人は梁山泊に感謝し、入山。

以降、燕青は主へ忠義を尽くしつつ、梁山泊歩兵軍として活躍してゆく。

 

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泰山。標高1545m。

古くから道教の聖地として知られ、

歴代の皇帝が封禅の儀式を行った

 

燕青の主、盧俊義が訪れた山東省泰安市。

中国五名山の筆頭、泰山が位置する市で、

同省を代表する都市として知られる。

盧俊義が泰安に行った時、燕青の同行は叶わなかったが、

それでも彼の心は、常に盧俊義に寄り添っていたことだろう。

 

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~広東ジャピオン2014年4月7日号

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