水滸巡礼~108の足跡~呂方(りょほう) 第16回

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その姿は三国志の豪傑

紅白の長い鍔迫り合い

 

呂方は、山東省青州市にある対影山に居を構える山賊の徒。

『三国志』で名を馳せた武将、呂布(りょふ)に大きな憧れを抱き、

彼が愛用した武器、「方天画戟(ほうてんがけき)」を使い、

自身の甲冑や部下の装備一式も彼に倣い、赤でそろえた。

あだ名の「小温侯」とは、呂布が就いていた爵位「温侯」に由来。

 

 

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 靖港古鎮。長江水系のひとつ、湘江沿いの古村で、

千年以上の歴史をもつ古建築や街道が残されている

 

ある日、呂方のいる対影山の向かいの山に、

郭盛(かくせい)なる強盗が率いる軍団が住み着いた。

呂方とは対照的に装備を白で統一した郭盛も、

方天画戟の使い手で、負けた方が手下になるという条件で勝負を挑んできた。

2人は一騎討ちで勝負したが、何合交わるも、腕は互角。

来る日も来る日も同じ時間に戦ったが、とうとう勝負はつかなかった。

ちょうど鍔迫り合いになっていたところ、そこに1本の矢が飛んできた。

それは、偶然通りかかった宋江に付き添っていた、花栄(かえい)が放ったもの。

かの有名な宋江が仲裁してきたと知り、2人は戦いをやめ、そのまま入山した。

その後、呂方は宋江親衛隊として、郭盛と一対の働きをした。

祝家荘の戦いでは、

祝家の次男を討ち取って武功を上げ、互いを刺激し合う戦友に。

最期は、方臘の戦いで戦死した郭盛の後を追うように、敵の前に倒れる。

 

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古代城のひとつである天心閣は、

明代の長沙を代表する建造物として知られている。

1983年に再建

 

呂方の故郷である湖南省長沙市。

省都であるこの街は、

春秋・戦国時代には楚の国に属し、数多の歴史遺産を有する。

千年の歴史をもつ古村、靖港古鎮や天心閣など、

歴史文化財のほか、詩人・屈原の出身地としても知られる。

三国志の英傑に憧れ、故郷を飛び出し、

水滸伝の豪傑となった呂方もまた、この地を代表する隠れた好漢であった。

 

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~広東ジャピオン2014年5月19日号

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