水滸巡礼~108の足跡~凌振(りょうしん) 第32回

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321 水滸巡礼 人物

天地を揺るがす轟音

砲弾で梁山泊を圧倒

 

凌振は官軍の出身で、

かつては東京開封府(現河南省開封市)で

「甲丈庫(武器庫)」の管理を担当していた。

その一方で、火砲の製造と使用に長け、

「風火砲」、「金輪砲」、「子母砲」の、3つの大砲を開発。

これらは天地を破壊せんばかりの威力を持ち、

雷のごとき轟音を発したという。

そんな凄まじい砲弾を作り出す彼を、

人は「轟天雷(ごうてんらい)」と呼んだ。

 

321 水滸巡礼 風景縦

武霊叢台(ぶれいそうたい)。

邯鄲市中央部に位置し、戦国時代に趙の武霊王が、

軍事操練と歌舞の観閲のために建造した

 

凌振が生まれた河北省邯鄲市磁県。

故事「邯鄲の夢」でお馴染みのこの地は、

春秋・戦国時代は、趙(ちょう)の国の都として栄えた。

彼が発した凄まじい砲音は、遠いこの故郷にも響いたことだろう。

 

321水滸巡礼 風景横

邯鄲市磁県に位置する磁州窯遺跡は、

宋・元代を代表する陶窯、磁州窯(じしゅうよう)の窯跡

 

321水滸巡礼 地図

 

~広東ジャピオン2014年9月8日号

 

 

 

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