水滸巡礼~108の足跡~石秀(せきしゅう)

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人助けに奔走する侠客
石秀(せきしゅう)

ゆかりの地 遼寧省営口市
あだ名 拚命三郎
職業 歩兵軍頭領
宿星 天慧星

金陵建康府(現江蘇省南京市)出身。家畜の売買を稼業としていたが、その後薪売りで諸国を渡り歩く。義理人情に厚く、武芸にも秀で、槍や棒など文芸全般に通じる。薊州(現天津市)で出会った楊雄(ようゆう)と入山することになり、歩兵軍で活躍。

弱きを助け、強きを挫く
さすらいの薪売り商人

石秀は金陵建康府(現江蘇省南京市)出身の薪売り商人。幼少の頃から武道をたしなみ、その腕前は確かなものであった。父に付き、家畜の売買をしていたが、父の死後は薊州(現天津市)で薪売りに精を出す。困っている人を見ると、助けずにはいられない義理人情に満ちた男で、がむしゃらな三男坊を意味する「拚命三郎(へんめいさんろう)」と呼ばれた。

 

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楞厳禅寺は、営口市中心部に位置し、東北四代禅寺の筆頭に数えられる。1931年建立

石秀がある日、薊州の町を歩いていると、1人の男が4、5人のごろつきに囲まれ、乱暴されていた。ごろつきが気付かぬうちに、石秀は割り込むと宙を舞い、拳を振り、気が付けば地面に倒れたごろつきたちの身体があった。囲まれていたのは、楊雄(ようゆう)なる牢役人。その夜、石秀は楊雄にもてなされ、楊雄宅に留まるよう勧められる。石秀も楊雄の心意気に感激し、2人は義兄弟の契りを結んだ。

その後、石秀は楊雄の屋敷で暮らしたが、ある日、楊雄は妻の不貞を知り、彼女を殺してしまう。殺人罪で追われる身となった楊雄を連れ、石秀は行き場を求めて梁山泊に行くことに。2人を迎え入れ、その素質を見抜いた宋江は、彼らを歩兵軍に割り当てる。その後、石秀は歩兵頭領として、密偵や斥候などの任務を遂行していった。物語には最期まで梁山泊のため、友のために戦った石秀のひたむきな姿が色濃く描かれている。

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中国東北地方最大の河川、遼河。河北省の平泉県が源流とされ、内モンゴルなどを経て、渤海に注ぐ。全長1430km

石秀が田虎討伐戦で戦った地、遼寧省営口市。遼東半島北西部に位置し、渤海に面している。中国七大河川の1つ、遼河はこの地から海に入り、水資源と気候から、稲作の盛んな土地として知られる。東奔西走する石秀をなだめるように、遼河は今日も緩やかに流れる。

335水滸巡礼046

 

~広東ジャピオン2014年12月22日号

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