農耕所は1370年、中国の古代思想家である孔子を祭る「孔廟」として建築された名所旧跡。1630年~1912年までの清代には「番禺学宮」と改名され、学校の役割を果たした。また1924年~26年までの間は「第1回~6回農民運動講習所」と呼び名が変更され、革命運動の教育が行われていたという。
同スポットの見所は、四方を囲む赤い壁と清代に建設されて以来改修されず、その姿を残している「大成殿」だろう。明清代のレンガ木造建築様式が、現代にまで保存されており、歴史的価値が高い。また境内には木綿花、菩提、竜眼、九里香などの樹木が植えられていて、特に木綿花は今が見所で見る者の心を魅了するであろう。さらに敷地内には、隋時代から清時代にかけて行われた高級国家公務員資格の認定試験制度「科挙」を紹介した展示など、複数の展示品があり、中国古代から近代史が学べる場所でもある。
今は若者から「広州の小故宮」と呼ばれ、写真撮影スポットとして人気を集めている農耕所。時代が変わっても、広州市民に愛されている場所だ。