水滸巡礼~108の足跡~李逵(りき) 第22回

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311水滸巡礼 人物

 

旋風起こる所に鉄牛あり

虎に襲われた母への純心

 

李逵は殺人鬼の星、天殺星の生まれ変わり。

「板斧(はんぷ)」という2丁の斧を使い、

歯向かって来た者は、女、子どもも容赦なく斬る。

むさくるしい髪に、血走った目をした色黒の男であることから、

「黒旋風(こくせんぷう)」、「鉄牛(てつぎゅう)」などと呼ばれた。

 

311水滸巡礼 風景 縦

沂水県南西部に位置する沂水大峡谷。

地下には全長6100mを誇る鍾乳洞がある

 

李逵は故郷で人を殺め、江州に逃れてから、

牢役人の戴宗(たいそう)のもとで働いていた。

そんなある日、噂に聞いた宋江がやって来た。

李逵は、彼をもてなそうと、金を手に入れるため賭博場に入ったが、

大負けして暴れ、店を壊してしまった。

しかし、宋江は李逵を慰め、

李逵は宋江の寛大さに感動し、彼に付き従うことにした。

 

数カ月後、宋江が宋軍に反逆罪で捕らえられてしまう。

そこで李逵は仲間と救出に向かい、先頭に立って敵城に入った。

見物人も含め、邪魔者はすべて斬り捨て、宋江を救出。

無関係な者まで殺したが、手柄を認められ、入山することに。

 

その後、李逵は故郷に残してきた母親が心配になり、連れて帰ることにした。

しかし、母親と梁山泊に向かう道中、母親が虎に食われてしまう。

李逵は涙を浮かべ、狂ったように斧を振って虎を殺した。

李逵は山塞でよく騒ぎを起こし、厄介者扱いされていたが、

その実、幼児がそのまま大きくなったような純粋な心の持ち主だったのだ。

 

311水滸巡礼 風景横

王羲之(おうぎし)墳墓。

東晋時代(317~420年)に活躍し、

「書聖」と呼ばれた書道家、王羲之が眠る

 

李逵が生まれ育った山東省臨沂市沂水県。

山河が美しく、春秋戦国時代の兵法書『孫子』の出土地として知られる。

梁山泊で暮らすため、母を迎えに再び沂水県を訪れた李逵。

母を背負い、共に暮らす日々を楽しみにしながら、

幼き頃に過ごしたこの地を歩いたことだろう。

 

311水滸巡礼 地図

 

~広東ジャピオン2014年6月30日号

 

 

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