水滸巡礼~108の足跡~阮小五(げんしょうご) 第28回

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317水滸巡礼 人物

 

 

水上で暴れる放蕩息子

命をかけた偽装工作

 

阮小五は、梁山泊に近い石碣村(せっけつそん)の漁師で、

兄の阮小二(げんしょうじ)、弟の阮小七(げんしょうしち)を合わせた

阮三兄弟の次兄。

兄弟の中でも最たるやさぐれ者、無類の博打好きで、

金のない時は母親のかんざしを質に入れて打つほどであった。

胸に豹の刺青があり、鉄の棒のようなたくましい腕をしていたという。

そして、阮小五に出会った者は命を短くするという意の

「短命二郎」なるあだ名を持ち、街を闊歩していた。

 

317 水滸巡礼 風景縦

泉州市北部の郊外に位置する清源山。

写真の老君造像(老子像)は、中国で現存する最大の道教石刻像

 

阮小五が倒れた福建省泉州市。

かつて「海のシルクロード」の起点として知られたこの地は、

海上交易の中心として栄えた。

中国を訪れたマルコ・ポーロも、泉州の繁栄を、

著書『東方見聞録』に記録している。

最後まで水軍で奮闘した阮小五。

今日も泉州市の海運発展を、静かに見守っていることだろう。

 

317水滸巡礼 風景横

崇武古城は明朝を代表する城塞のひとつで、

倭寇(わこう)の侵入を防ぐために建てられた

 

317水滸巡礼028

 

~広東ジャピオン2014年8月11日号

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