~広州発祥の伝説~
羊城のルーツ
無 猫田君、気がつけば今年ももう終わりだよ。
無 ゆく年くる年と言えば寺参りだよな。
無 よし、今日は広州発祥の地と言われる道教寺院に行ってみるか。
猫 この暮れの忙しい時にですか?
無 大掃除でもした方がいいんじゃ…。
無 俺、掃除嫌いだし、正月は日本だもん。
猫 ここですか?
無 「越秀区博物館」って書いてありますけど。
無 ここだね。
無 ほら、奥に「五仙古観」っていう、扁額が掛かってるだろ。
猫 本当だ。羊に乗った5人の仙人が降り立って、
無 広州に豊穣をもたらしたっていう、
無 あの伝説の仙人を祀っているのが、ここなんですね!
無 そうだよ。
無 越秀区は広州の中でも歴史が古くて、
無 2000年前の秦の時代から町の中心だったんだってさ。
無 秦代には、この辺り一帯は「番禺城」って呼ばれてたんだね。
猫 そういえば、広州の主立ったお寺も
無 このエリアに集中してますね。
無 うん。
無 この「五仙観」も11世紀の北宋時代から変遷を繰り返した末に、
無 明代の1377年にここに建てられたんだな。
無 当時はお堂だけでも10数棟もあったらしいぞ。
猫 今残っているのは、ほんの一部なんですね。
広州に唯一残る明代の鐘楼建築「嶺南第一楼」
嶺南第一楼
無 お、この赤い建物はなんだろう?
猫 「嶺南第一楼」という、鐘楼ですね。
無 二層になっている下の部分は、赤い砂岩を切り出して造ってあって、
無 上の鐘を吊ってある部分は木造ですね。
無 鐘も明代に鋳造されたんだね。
無 銅製のものでは広東省で現存最大だってさ。
猫 この重い鐘を吊っているのは、
無 たった1本の葛のツルらしいですよ。
無 へえ~、神秘的だな。
無 猫田君、どんな音がするのか鳴らしてみろよ。
猫 いやぁ、この鐘は「禁鐘」という名前で、
無 火事や災害の時以外は撞いてはいけないとされてたみたいです。
無 なぁんだ…。
無 明代の人と同じ響きを聞けると思ったのに。
猫 この鐘を鳴らすと、広州中に伝染病が流行るという説もあるようですよぉ。
無 オーイ、怖いことを言うなよ。
猫 来年1年、健康で過ごせれば何よりですよね。
無 う、うん。健康が一番だ。
明代の麒麟の石獣が門の前に置かれる
ロケーション ★★★★
周辺環境 ★★
お得感 ★★★★★
歴史に浸れる度 ★★★★
★info★
五仙観(越秀区博物館)
住所: 広州市越秀区恵福西路233号
開館時間: 9時~17時(月曜休み、入場時に要パスポート提示)
TEL:020-8332-3508
アクセス: 地下鉄「公園前」から徒歩約10分
~広東ジャピオン2013年12月23日号