騎兵軍の小覇王
周通(しゅうとう)
ゆかりの地 山東省濰坊市青州市
あだ名 小覇王
職業 騎兵軍将校
宿星 地空星
山東省濰坊市青州市出身。入山前は同省の桃花山で、山賊の第2頭領として地元を荒らしていた。女好きで、よく麓村の女に手を出しては、それをきっかけに事件を起こすこともしばしばあった。物語ではやる事為す事がすべて裏目に出る、滑稽な人物に描かれている。
桃花山の小さな覇王
魯智深との出会い
周通は山東省濰坊市青州市出身の山賊で、梁山泊に入る前は、同省の桃花山(とうかざん)で追い剥ぎ稼業をしていた。〝走水緑沉槍〟なる槍を使い、あだ名を「小覇王(しょうはおう)」と呼んだ。これは、覇王と呼ばれた秦代の武将・項羽(こうう)に外見が似ていたことに由来する。
十笏園は明代の政治家、胡邦佐の旧宅。南北2つの庭園の間に池を挟む、中国北方庭園の1つ
周通がある日、桃花山をうろついていると、薬売りの男・李忠(りちゅう)に遭遇し、対決することになった。結果、周通は李忠に敗れ、彼を山塞に招いて山賊の頭領になってくれるよう申し込む。こうして、李忠が第1頭領の座に就き、周通は彼を支える2番手に落ち着いた。
そして1年が過ぎた頃、周通が、麓の桃花村に住む娘に惚れ込んだ。婿養子になろうと縁談を迫り、強引に同意させる。そして初夜を迎え、周通が娘の寝室に入ると、寝具の中にいる花嫁は身体が大きく筋肉質で、しかも毛深かった。恐る恐る布団をめくって見ると、中から、入れ墨坊主の魯智深(ろちしん)が襲いかかってくる。娘の父親が、近隣の二龍山にいた魯智深に助けを求めたのだった。周通は得意の槍で応戦するも、さすがの魯智深には敵わず降参。その後、周通と李忠は魯智深を兄貴分として慕い、宋江に招聘され梁山泊入りする彼に付いて入山した。その後は騎兵軍で数々の戦に参加し、最期は方臘の戦いで敵将の刃に倒れた。
雲門山。青州市から南方2.5kmの場所に位置する。「青州八景」の1つに選ばれ、刻石や石窟など多くの見所を擁する。標高421m
周通が生まれ育った山東省濰坊市青州市。同市は古代、中国が徐州や梁州など、9つの地域に分かれ、「九州」と呼ばれていた地域の1つで、凧の発祥地としても知られる。周通は真の覇王になるべくこの地から梁山泊へ向かった。
~広東ジャピオン2015年1月5日号