民族訪ねて三千里~ムーラオ族(仫佬族)第20回

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石炭の里の〝恋の歌〟

白馬姑娘伝説と依飯節

 

ムーラオ族は、広西チワン族自治区の羅城ムーラオ族自治県に、多く居住している。

彼らの住む山間地帯には石炭が埋蔵され、「石炭の里」と言われている。

今でこそ石炭が主な経済基盤となっているが、

以前はやせた土地に住んでいることで苦労したらしい。

 

ムーラオ族には幾つもの昔話が伝えられている。

中でも「白馬姑娘」という話は、

彼らにとって最も重要な祭りである「依飯節」の由来の1つとなったもの。

古代、ムーラオ族の村を、獣王率いる獣たちが襲った。

 

その危機を、圧倒的な力を持って助けたのが、白馬姑娘だ。

彼女はその後、人々に穀物の種や、牛などを与え、村は栄えていった。

これを記念し、定期的に開いていた集会が、今の「依飯節」になったという。

 

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1. ムーラオ族の若い男女。この雄大な自然の中、彼らは歌を交わし合う

2. ムーラオ族の老人。400年以上の歴史を持つ、古くからいる民族の1つだ

3. 美しい山々。ここには多くの石炭が埋蔵されている

 

ムーラオ族もまた、他の多くの少数民族同様、

歌垣文化と「走坡」と呼ばれる独自の恋愛形式を持つ。

「走坡」とは、前述の「依飯節」中に行われる、若者のためのイベントだ。

 

この日、女性たちは化粧をして華やかに着飾り、

男性もまた、下ろしたての服を着て、意中の女性を見つけ歌を贈る。

女性が承諾すると、歌を返して2人の関係がスタート。

お互いに自己紹介をし、ハンカチや布靴などを贈り合い、次の逢瀬の約束をする。

しかし、恋愛は自由だが、結婚は父母が決定権を持つ。

こういった封建的婚姻制度からは、幾度か悲劇も起きたと思われ、

民話の中には悲恋の物語も伝えられている。

 

彼らの村を訪れる際には、彼らが伸びやかに交わす〝恋の歌〟を、

ぜひとも聞いてみたいものだ。

 

~広東ジャピオン2013年4月22日号

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