天然的生活 第51回 ~芦根(アシ)

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葦で夏の暑さを乗り切ろう

「人間は考える葦である」という、

フランスの思想家パスカルの言葉で有名な葦。

初夏になると、河辺や湿地で群生している姿が見られる。

日本では「アシ」という音が「悪し」に通じるとして、

逆の意の「ヨシ(良し)」とも呼ばれる。

 

漢方医学では、イライラや乾燥に効果がある生薬とされるため、

ストレスからくる肌荒れや、のどの渇き、

口臭が気になる人などにオススメだ。

また、胃の熱を取り除き、食欲をコントロールする作用があるため、

食欲不振・過多の人にも効果的。

 

中国では、口が渇くときや、子どもの寝汗がひどい時に、

煮出して甘味をつけたスープやお茶にして飲む。

お茶の作り方は、まず大根、白ネギ、中国オリーブ(橄欖)とともにみじん切りにし、

ポットに入れて熱湯を注ぐ。ふたをして15分ほど蒸らせばOKだ。

ただし、関節痛のひどい人や、胃が冷えている人は服用を避けること。

 

また、加工品の丈夫さには定評があり、

葦の茎で作ったすだれ、「葦簀(よしず)」や茅葺屋根、

クラリネットやサックスなど木管楽器のリードにも用いられている。

特にすだれは、それ自体が日光の熱を吸収して部屋を涼しくしてくれるので、

広東の夏にはうってつけ。

 

初夏には、葦で身体も部屋も涼しく快適に過ごそう。

 

~広東ジャピオン2013年4月22日号

 

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