葦で夏の暑さを乗り切ろう
「人間は考える葦である」という、
フランスの思想家パスカルの言葉で有名な葦。
初夏になると、河辺や湿地で群生している姿が見られる。
日本では「アシ」という音が「悪し」に通じるとして、
逆の意の「ヨシ(良し)」とも呼ばれる。
漢方医学では、イライラや乾燥に効果がある生薬とされるため、
ストレスからくる肌荒れや、のどの渇き、
口臭が気になる人などにオススメだ。
また、胃の熱を取り除き、食欲をコントロールする作用があるため、
食欲不振・過多の人にも効果的。
中国では、口が渇くときや、子どもの寝汗がひどい時に、
煮出して甘味をつけたスープやお茶にして飲む。
お茶の作り方は、まず大根、白ネギ、中国オリーブ(橄欖)とともにみじん切りにし、
ポットに入れて熱湯を注ぐ。ふたをして15分ほど蒸らせばOKだ。
ただし、関節痛のひどい人や、胃が冷えている人は服用を避けること。
また、加工品の丈夫さには定評があり、
葦の茎で作ったすだれ、「葦簀(よしず)」や茅葺屋根、
クラリネットやサックスなど木管楽器のリードにも用いられている。
特にすだれは、それ自体が日光の熱を吸収して部屋を涼しくしてくれるので、
広東の夏にはうってつけ。
初夏には、葦で身体も部屋も涼しく快適に過ごそう。
~広東ジャピオン2013年4月22日号