民族訪ねて三千里~ウズベク族(烏孜別克族)第22回

minzoku-title

minzoku-map

 

商人の子孫たち

豊かな楽器と叙事詩

 

ウズベク族とは、彼らの言葉で「我らの指導者」を意味し、

その起源は14世紀のキプチャク汗国にあると言われる。

祖先は、元代頃、シルクロードに沿って中国国内に辿り着き、

商業を営むようになったとされる。

そのためか、現在でも商人や手工業に従事する人が多く、

比較的裕福な民族のようだ。

ウズベク族は、イスラムの習慣・伝統に基づいて暮らしている。

イスラムの祭日「クルバーン」や、断食明けの祭り「小バイラム」などには、

家をきれいに掃除してから、羊肉やお菓子、果物を用意し、

客を招いて歌と踊りで盛大に祝う。

minzoku

1. 民族衣装を纏い、踊る女性。音楽同様、踊りもしなやかで優雅なものが多い

2.バザールの雑貨店。彩り豊かな民族紋様が何とも華やかだ 

3. 伝統的な肉入り揚げパン「油餅」やピラフ「手抓飯」

また、ウズベク族は音楽や踊りを愛する民族で、

独特の楽器を幾つも有する。

長いネックが特徴的な2弦楽器「ドタール(独它爾)」や、

低音を奏でる4弦楽器の「タンブール(弾布爾)」は、

ギターや琵琶などの原型とされる。

これらの楽器と共に演奏される民謡も種類豊かで、

幼い娘が母親にスカーフや耳飾りをねだる様を描いた「アイージャン(母親よ)」など、

曲調は柔らかく、歌詞もまたユーモラスなものが多い。

そのほか民間文学も豊富で、中でも民族の英雄を詠った叙事詩、

「ウルグ・ベグ」は広く伝わっている。

ウルグ・ベグは非常に知識豊かな人物で、

ある時部下が何年分かの狩猟の記録を紛失したが、

ウルグ・ベグは彼を叱ることなく、記録を口述し再び書き取らせた。

その後記録が見つかり、照合してみると、ほとんど間違いはなかったという。

音楽が流れだすと、踊りださずにはいられないという、ウズベク族の人たち。

街を訪れて、素晴らしいと名高い、歌と踊りをこの目で見てみたいものだ。

~広東ジャピオン2013年5月13日号

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最新号の電子版はこちらから

PAGE TOP