広東モウマン隊~(広州)西漢南越王博物館 その58

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~古代ロマンを体感~

 

2100年前の墓

 1月になったと思ったらもう春節か。

 歳をとると時間が経つのがどんどん早くなる気がするよ。

 じゃあ今日は、現代とは違う時間の流れを感じにいきましょうか。

 なんだい、やけにミステリアスなことを言うね。

2100年前の王様のお墓を博物館にしたところがあるんですよ。

 古代にタイムトリップした気分になれますよ。

お墓なんて、どこが面白いんだい?

まあまあ、お墓だけじゃなくて、色々見どころがあるんです。

おお、王様の棺が置かれていた部屋にも入れるんだな。

 ずいぶん大きな岩を使ってあるね。

この大きな赤砂岩は、なんと番禺の蓮華山で採掘して、

 ここまで船で運んできたんですよ。

蓮華山の古代の採石場は、ここの岩を切り出した跡だったんだね。

 

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墓室にも入れる体感型博物館

 

古代嶺南の王国

 こんな大掛かりな工事ができるなんて、すごい財力だね。

 墓の主はどんな人なんだい?

前漢の時代に、現在の中国南部からベトナム北部一帯の嶺南地方を支配した、

 「南越国」という国があって、その二代目の王様、趙昧(趙胡)だそうですよ。

ふうん。歴代の南越王は、漢に対しては臣下の礼を尽くし、

 国内では皇帝としてふるまっていたみたいだね。

初代南越王の趙佗はもともと秦の武官で、広東に派遣されたんですが、

 秦の滅亡後に南越国を起こして、漢の混乱に乗じて皇帝を名乗ったようです。

おお、中央の動乱期に地方で勢力を伸ばしたのか…。

 男のロマンだな。

うちの会社は管理が厳しいから、チャンスはなさそうですよ。

ね、猫田君、別にそういう意味で言ったんじゃないぞ。

 こ、この玉片を赤い絹糸でつないだ玉衣は、

 中国全土でも約20例しか発掘されていない貴重なものなんだね。

埋葬に玉(ぎょく)を使うのは、漢の風習のようですよ。

 漢の時代、玉には、

 遺体の腐敗の原因となる悪霊を避ける効果があると信じられていたんです。

へえ。古代中国の思想や技術は、ずいぶん成熟していたんだね。

ね、これこそロマンですよ。

 

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2291片の玉片を絹糸で綴った玉衣

 

moumantai-nekotaロケーション ★★★★

周辺環境 ★★★

お得感 ★★★★

古代ロマン度 ★★★★

 

★info★

西漢南越王博物館

住所: 広州市越秀区解放北路867号

営業時間: 9時~17時半(入館は16時45分まで・入場料12元)

TEL:020-3618-2920

URL:www.gznywmuseum.org

アクセス: 地下鉄「越秀公園」E出口から徒歩約5分

 

~広東ジャピオン2014年1月27日号

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