四合院の隠れ家ホテル
女「そういえば、宿どうする?
どうせ1、2泊しかできないんだし、ちょっと奮発しちゃう?」
男「ヒルトンとかシャングリ・ラとか、豪華5ツ星ホテルに泊まっちゃう!?」
女「うーん、もっと北京的なホテルがいいかも」
男「北京的と言えば、細い路地〝胡同(フートン)〟に、
伝統住宅〝四合院〟がキーワードだよな…。じゃあ、あそこで決まりだ!」
女「どこどこ?」
男「〝レッドキャピタル・レジデンス〟っていう、
北京の下町にある四合院の隠れ家ホテルだよ(写真⑥)」
女「四合院の隠れ家? とってもいい響きね~」
男「部屋は全部で3つしかないけど、
天蓋のついた昔ながらのベッドで寝られるんだぜ。
それにアンティーク家具や
1950~60年代の中国的なグッズが至るところに置かれて、
マニアはヨダレものらしい」
女「フーン。マニアっていうか、あなたが、でしょ」
男「否定はしないね。
部屋はとにかく〝ザ・オールドチャイナ〟って感じのレトロな造りだし、
絶対気に入るって。
それに、庭には昔の防空壕を利用した洞窟バーもあって、
ビール片手に古い中国映画を見られるんだぜ」
女「それ面白そう。胡同散策もできそうだし一石三鳥ね♪」
胡同の猫カフェでまったり
女「地図見ていて思ったんだけど、北京って胡同が死ぬほどあるわね」
男「全部で6000本以上あるんだぜ。すごいだろ、えっへん!」
女「なんであなたが威張るのよ。
ガイドブック見ると、後海辺りとか
中央戯劇学院近くの南鑼鼓巷とかの胡同が観光スポットみたいね」
男「北京博士の僕に言わせると、南鑼鼓巷一帯は、
著名作家・茅盾(ぼうじゅん)の旧居とかの見どころもあるけど、(写真⑦)
基本的にお上りさん向けの土産物屋ばかりで何か物足りないんだよね」
女「いつ博士になったのよ。じゃあ、博士様、どの胡同ならよろしいのですか?」
男「ゴホン。僕のオススメはズバリ、五道営胡同!(写真⑧)」
女「自信満々ね。ネットで仕入れた情報を鵜呑みにしていいのかしら」
男「ほら、このサイト見てごらんよ。
懐かしい雰囲気の中にある古い住宅を改装したカフェに
ベジタリアンレストラン、創作雑貨店もあってオサレだろ。
あと骨董品屋さんとか猫カフェなんかもあるし、
君の大好きなものばかりじゃない?」
女「確かに。わー、このブサカワなデブ猫たまらないにゃん♪」
男「…1児の母とは思えないイタさだな。
猫カフェでは、君1人でまったりしておくれ」
巨大な骨董市場で値切り !
女「あ、骨董品で思い出した。友達が言ってたけど、
すごい骨董市場が北京にあるんでしょ? そこにも行きましょう!」
男「ああ、潘家園市場だろ。(写真⑨)昔行ったことあるけど、
本物と偽物が入り乱れた、ゴチャゴチャ感満点の骨董市場だよ。
とにかく、ここにないものはないね」
女「値段交渉にワクワクするのよね。あの真剣勝負感が最高!」
男「…君の値切りは半端じゃないから、
喧嘩になるんじゃないかって、見てるこっちがハラハラするよ」
女「あなたは邪魔だけはしないでね」
男「はいはい。
でも、ここに行くと1日がかりになるよ、とてつもなく広いから。
僕は報国寺市場の方がいいと思うけどな。(写真⑩)
地元の人のための骨董市って雰囲気だし、広さもちょうどいいしね」
女「時間なさそうなら、その報国寺だけでもよくってよ」
男「よし。今度こそ報国寺で、
三国志の関羽のでっかい置物を買うぞ~。値切りは任せた!」
女「いいけど、荷物のオーバーチャージ分は
あなたのお小遣いから引くから覚えといてね♪」
~広東ジャピオン2014年4月14日号