咳止めにはハハコグサ
日当たりのよい畑地、原野、道端などに分布する越年草のハハコグサ。
春の田んぼでお馴染みの植物であり、日本全国に分布する野草だ。
また「ゴギョウ」の別名で、春の七草の1つにも数えられている。
ハハコグサは、ミネラルやタンパク質を始め、フラボノイドの1種「ルテオリングリコシド」、
植物由来の化合物「フィトステロール」、カリウム塩類を豊富に含む。
抗酸化・利尿作用に優れ、コレステロール値の低減に役立つという。
中国でハハコグサは肺の薬として、生薬「鼠曲草」の名で普及している。
主に咳止め効果が期待でき、喘息や気管支炎の人に好適という。
また、血圧を下げるとともに、関節の痛みを取り除く働きもあるので、
腰痛や肩こりなどの緩和にも有効なのだとか。
一般家庭では、清明節時期に食べる「青団」の材料にも使われるほか、
昔から伝わる民間療法には、茎葉を乾燥して煎じた液を、
咳止め薬として服用する習慣があるよう。
また、抗菌作用に優れ、肌荒れが気になる人に好んで食される。
ただし、過剰摂取すると、胃の痛みや吐き気を催すことがあるので、
胃腸の弱い人は注意が必要。
咳や痰の絡みなどが気になる人は、粥などに入れて手軽に取り入れたり、
生薬「鼠曲草」に挑戦したりしてみては。
~広東ジャピオン2015年5月4日号