豪傑たちの弟
宋清(そうせい)
ゆかりの地 山東省済寧市梁山県
あだ名 鉄扇子
職業 宴会準備
宿星 地俊星
山東省菏澤市鄆城県出身。
宋江の実弟で、兄に代わって病弱な父親の面倒を見ていた。
梁山泊が騒動を起こし、追っ手が宋清に迫った時、父を連れて山塞に逃げ込む。
その後は、山塞内で宴会準備役を務める。
また、科挙に合格し、秘書学士にまで進んだ息子を持った。
兄の運命に翻弄された弟
豪傑たちの宴会準備役
宋清は、山東省菏澤市鄆城県出身の農民。
梁山泊第3頭領・宋江の実弟で、常に彼に付き従っていた。
梁山泊の宴会でよく扇を手にしていたことから、「鉄扇子(てっせんし)」のあだ名で呼ばれた。
梁山雪山の麓に建つ蓮台寺。
唐代に建設され、その後幾度と修復が行われた。
高さ2mの仏像を安置する
ある日、宋江が妾の閻婆惜(えんばしゃく)を殺してしまった。
宋清は、兄を一時的に実家の屋敷に一時的に匿い、
役人の追跡から守り、後周皇帝の子孫で、
滄州(現河北省滄州市)の顔役であった柴進(さいしん)の屋敷へ逃がした。
そして宋江の逃亡生活が、ここから始まり、
それを兄の逃亡生活を境に、宋清の人生も変わっていくのであった。
その後、宋江はついに捕縛され、江州(現江西省九江市)へ流される。
さらに謀叛の濡れ衣を着せられ、処刑の判決が下った。
その時の梁山泊の首領は、宋江と義兄弟の契りを結んでいた晁蓋(ちょうがい)。
彼ら梁山泊の盗賊たちは、宋江を救うべく江州で大暴れし、救出。
ところがこの騒動が原因で、宋江は宋政府の役人にまで追われることになる、
宋清と父、家の者にも役人の手が回ろうとした時に、
危機を察した宋江は宋清らのもとに迎えを送り、入塞させた。
入山後、宋清は宴席の準備や始末の一切をこなした。
兄と同じく、武芸に秀でていなかったが、
酒や料理であふれる豪華絢爛な宴会を準備し、
戦で功績を挙げた豪傑たちの労をねぎらった。
宋江の死後は、実家に戻り静かな余生を送ったという。
水泊梁山風景区。
梁山泊を再現したテーマパークで、
聚義庁、断金亭など、実際物語に登場した建造物を擁する
宋清が父と渡った梁山泊の故郷、山東省済寧市梁山県。
史実では、北宋末期、宋江を頭領とした36人の農民がこの地で、
打倒宋王朝のため反乱を起こした。
この物語の舞台として、今日も多くの水滸伝ファンがこの地を訪れ、賑わいを見せている。
~広東ジャピオン2015年8月31日号