「小籠包(ショーロンポー)」をはじめ、「焼賣(シューマイ)」、「叉焼包(チャーシュー饅頭)」、
「春巻(春巻き)」など、多くの代表メニューがここに分類される。
それだけに、いつも定番のものばかりオーダーしがちなのも、この種類。
たまには、いつも違うメニューを頼んでみるのも良いだろう。
①咸水角(揚げもち団子)
漢字からの判読はほぼ不可能。
ピロシキを尖らせたようなその形状から、末尾に「角」がつけられたという。
さらに日本語で「もち団子」だから中はあんこかと思いきや、
しいたけやにらが飛び出し、びっくり仰天。
もち部分はほんのり甘く、癖になる味だ。
中身は熱いので、噛む時は気をつけよう。
②腐皮巻(湯葉春巻き)
字面だけ見れば、腐った皮で何かを巻くなどとんでもない料理だが、
登場するのは、ふわっとした湯葉の春巻き。
中には主に豚のひき肉やエビなどの海鮮が入っている。
③潮州蒸粉果(潮州風蒸し餃子)
粉の果実とは何ぞや…と考え込むなかれ。
末尾に「粉果」とつけば、それは大抵蒸し餃子なので、覚えておこう。
潮州は広東省にある都市の名前。
歯ごたえのある皮で包まれて、干しエビや野菜が入っている。
④流沙包(カスタード風の餡饅頭)
中の餡は、塩漬けの卵と牛脂、砂糖を混ぜて作られている。
甘いので、デザート感覚で味わえる。少しざらざらっとした食感。
「奶黄包(カスタード饅頭)」とよく似ており、一時期は飲茶界から絶滅しかけたが、
2000年ごろからまた人気が復活した。
炭水化物が多くなりがちな点心の中で、栄養バランスをとれるのが、このおかず類。
しかし、あまりなじみがないメニューが多く並ぶのもこの種類だ。
定番メニューは「豉汁蒸鳳爪(鶏足のスペアリブ)」だが、
ほかにも美味しい料理が盛りだくさん。
これらを把握しておけば、もう怖いものなしだ。
①腸粉(米粉の蒸し巻き)
決して何かの腸が粉状で入っているわけではないので、心配無用。
米の粉から作ったプリプリっとした皮で、エビやチャーシューなどを巻いて蒸したものだ。
メニューの頭に具の名前がつき、蒸しエビ入りは「鮮蝦腸粉」、
チャーシュー入りは「叉焼腸粉」といった具合になる。
醤油ダレをつけて食べるのが一般的。
②蘿蔔糕(大根もち)
「蘿蔔」は中国語で大根の意。末尾に「糕」がつくと、
もちのような形状の料理が来ると考えてよいだろう。
デザート系の料理にもつくことが多い。
③牛百葉(牛の胃袋)
まず、小学校の校庭にあった百葉箱(ひゃくようばこ)を思い出してみよう。
この名称は、箱の壁の様子が牛の胃袋に似ていることからつけられたのだ。
ニンニク風味でコリコリとした歯ごたえが、食欲をそそる一品。
④抄手(ピリ辛ワンタン)
「鳳爪」と違って、何かの手が入っているわけではもちろんないので、ご安心を。
中はいたって普通の豚挽き肉だ。香菜(パクチー)入りの場合も多い。
もともとは四川料理で、そのピリ辛味が、
甘い点心も多い飲茶の中でひと時の箸休めとなる。
飲茶といえば、やはりデザートも欠かせない。
「蛋撻(エッグタルト)」や「芒果布丁(マンゴープリン)」以外にも、
試してみたい定番メニューが勢ぞろいだ。点心をたらふく食べた後も、
〝甘いものは別腹〟精神で、最後まで飲茶を味わい尽くそう。
A
①西米露(タピオカ入りココナッツミルク)
万人受けする定番メニューのひとつ。「西米」は中国語でタピオカを指す。
脂っこい点心を食べ終わったお腹を、まろやかなココナッツミルクで優しく包めば、
ホッと一息つけること請け合いだ。
タピオカのプチプチとした食感も楽しい。
A
②楊汁甘露(柑橘入りマンゴーミルク)
こちらも定番中の定番。
日本語で甘露(かんろ)は甘い液体を指すが、楊汁がつくと甘いだけではない。
西米露と同じタピオカ、ココナッツミルクのほかに、
マンゴーとグレープフルーツ(オレンジの場合もある)が入っており、
甘いながらもさっぱりと味わえる。
A
③杏仁雪蛤球(アーモンド団子)
「雪蛤」は、カエルの子宮の周囲の脂肪。
ぎょえ~っ! と声を上げたくなる人もいるだろうが、
実はツバメの巣とどっこいの高級食材なのだ。
さらに美肌効果にも優れているので、女性には特にオススメ。
特に癖のある匂いなどもなく、とろんとしたやさしい食感。
A
④酥皮美人腰(さつまいもパイ)
パイの半月のような曲線のカーブが、おそらく名前の由来かと思われる。
サクサクっとしたパイの中には、さつまいもの餡が詰まっている。
パイの皮をぽろぽろと落とさないよう、美しく食べたい。
~広東ジャピオン2013年4月8日号