世界で一番長い祭り
客をもてなす踊りと歌
トゥー族は、青海省の東北部を中心に暮らしている。
この一帯にはイスラム教を信仰する民族が多いが、
トゥー族はチベット仏教のほか、祖先崇拝や、関帝、二郎神など道教の神々を祀っている。
また、山には神が宿るといった自然信仰も持ち合わせ、
村落で一番高い場所には寺を建て、村人の信仰活動の中心になっているという。
トゥー族の祭日は、その多くが宗教と関連し、
旧暦の7月12日から9月15日にかけては「ナードン」という祭りが行われる。
これは「七月会」とも呼ばれ、世界で最も長い祭りとして有名。
「ナードン」とはモンゴル語で「喜び」を意味し、
祭り期間中には二郎神の神輿をかつぎ、豊作を祝うと共に、来年の豊作を祈る。
2006年には、国の無形文化財に認定された。
1.既婚女性の民族衣装。色にはそれぞれ意味があり、黒は大地を、赤は太陽を表す
2.ナードンの祭りで披露される歴史劇では、出演者は全て仮面を着ける
3. 青海湖は、世界第2位の塩湖ではあるが、年々水位が下がり、干上がる危険もあるという
民族の伝承では、チンギス・ハーンの武将が率いたモンゴル軍が現地の人々と通婚し、
トゥー族の祖先となったと伝えられている。
そのためモンゴル族とは関係が深く、彼らのことは「ハラ・モンゴル(黒いモンゴル)」、
自分たちのことを「チャガン・モンゴル(白いモンゴル)」と呼ぶそうだ。
青海省の省都である西寧市の西には、中国最大の湖「青海湖」がある。
青海湖は、世界的に見ても世界第2位の塩湖で、
湖の周囲をコースとした自転車ロードレースが毎年行われている。
また、客をもてなすことが好きなトゥー族は、
客人が来ると歓迎のための「敬酒歌」や「アンショ踊り」を披露し、
貴重な羊の肉や、白酒などの酒を振る舞う。彼らの集落を訪れる際には、
お土産に酒を持参して、現地の人と汲み交わそう。
~広東ジャピオン2013年4月15日号