商人の子孫たち
豊かな楽器と叙事詩
ウズベク族とは、彼らの言葉で「我らの指導者」を意味し、
その起源は14世紀のキプチャク汗国にあると言われる。
祖先は、元代頃、シルクロードに沿って中国国内に辿り着き、
商業を営むようになったとされる。
そのためか、現在でも商人や手工業に従事する人が多く、
比較的裕福な民族のようだ。
あ
ウズベク族は、イスラムの習慣・伝統に基づいて暮らしている。
イスラムの祭日「クルバーン」や、断食明けの祭り「小バイラム」などには、
家をきれいに掃除してから、羊肉やお菓子、果物を用意し、
客を招いて歌と踊りで盛大に祝う。
あ
1. 民族衣装を纏い、踊る女性。音楽同様、踊りもしなやかで優雅なものが多い
2.バザールの雑貨店。彩り豊かな民族紋様が何とも華やかだ
3. 伝統的な肉入り揚げパン「油餅」やピラフ「手抓飯」
あ
また、ウズベク族は音楽や踊りを愛する民族で、
独特の楽器を幾つも有する。
長いネックが特徴的な2弦楽器「ドタール(独它爾)」や、
低音を奏でる4弦楽器の「タンブール(弾布爾)」は、
ギターや琵琶などの原型とされる。
これらの楽器と共に演奏される民謡も種類豊かで、
幼い娘が母親にスカーフや耳飾りをねだる様を描いた「アイージャン(母親よ)」など、
曲調は柔らかく、歌詞もまたユーモラスなものが多い。
あ
そのほか民間文学も豊富で、中でも民族の英雄を詠った叙事詩、
「ウルグ・ベグ」は広く伝わっている。
ウルグ・ベグは非常に知識豊かな人物で、
ある時部下が何年分かの狩猟の記録を紛失したが、
ウルグ・ベグは彼を叱ることなく、記録を口述し再び書き取らせた。
その後記録が見つかり、照合してみると、ほとんど間違いはなかったという。
あ
音楽が流れだすと、踊りださずにはいられないという、ウズベク族の人たち。
街を訪れて、素晴らしいと名高い、歌と踊りをこの目で見てみたいものだ。
あ
~広東ジャピオン2013年5月13日号