山の争乱を鎮める指揮官
黄信(こうしん)
ゆかりの地 江蘇省常州市
あだ名 鎮三山
職業 騎馬軍将校
宿星 地煞星
前歴は青州(現山東省青州市)軍の指揮官。
同軍の総指揮官・秦明(しんめい)の誘いを受けて梁山泊に入る。
林冲や関勝の副将を務め、物語に登場する戦にはほぼ参加。
方臘の戦い後、戦死した秦明の遺志を継ぐかのように、青州に戻り、同地の役人となった。
霹靂火・秦明への忠義
猛将の頼もしき片腕
黄信は山東省の青州軍指揮官。
上司に当たる同軍総指揮官・秦明から武術の手ほどきを受け、山賊の一掃を任務としていた。
同地にある清風山、二龍山、桃花山の山賊を一網打尽にし、
鎮めることができると豪語していたことから「鎮三山(ちんさんざん)」と呼ばれた。
天寧寺は唐代に創建された寺院。
清代の皇帝・乾隆帝も3度訪れたという
黄信はある時、青州知事の命を受け、精鋭を率いて軍事基地のある青州鎮に向かう。
この地の副長官・花栄(かえい)が清風山の山賊と手を結んだためだった。
黄信が着いた頃、青州鎮では宋江が山賊の一味として捕らえられていたが、
彼を知らない黄信は彼をそのまま放置し、花栄捕獲に出かけた。
その後、2人を青州城まで護送する途中、黄信ら一行は、宋江に縁と思惑を感じ、
彼を救出にやって来た山賊の襲撃に遭う。
4、500人の山賊が相手となると、さすがの黄信も太刀打ちできず、
2人を置いて清風鎮に引き返すことに。
それから数日後、黄信のもとに、何と秦明から入山の誘いが舞い込む。
秦明はこの時、青州軍から不当な扱いを受け、
寝返って宋江一味に加わっていたのだ。
敬慕する秦明の決断とあり、黄信は彼に従う形で入山した。
入山後は林冲の副官となり、数々の武功を立てる。
方臘の戦い・常州戦では敵将と互角の戦いを演じ、
軍の勝利に貢献。物語では秦明や林冲など、
猛将たちの片腕となって、敵陣を駆け抜けた黄信が描かれている。
太湖。中国5大淡水湖の1つで、面積は2445km²。
景観の美しさで知られ、国家重点風景名勝区に指定されている
黄信が死闘を繰り広げた江蘇省常州市。
北に長江、南に太湖を臨むこの地は3000年以上の歴史を有する。
歴史遺産のほか近代的なテーマパークも擁し、多くの観光客で賑わう。
黄信がかつて混乱を鎮めたこの地を巡ってみたい。
~広東ジャピオン2015年3月16日号