中医学的タイプ別 冷え性抜本改革(中)

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赤色系食材が「血」を補う
湿気た場所には要注意

 日本人にもっとも多い冷え性のタイプが、この「血虚(けっきょ)」。
これは血が乏しい状態であることを指している。
例えば、「湯船に浸かって血の巡りがよくなった」、というように、
血の元気度と身体の温まり具合は、密接に関係しているのだ。
手足の先が冷えるのは、血が乏しく巡りがよくないため。
そのため、お風呂に入ったり、布団に入ったりしても、身体がなかなか温まらないという状態になってしまう。
さらに、血が乏しいことは、生理不順や貧血などの原因にもなりうる。
そんな「血虚」タイプの冷え性改善には、血の全体量を増やして、
血巡りの良い身体作りをしていくことが有効。
中国では、血を作ってくれる「補血(ほけつ)作用」のある食べ物、という概念がある。
そうした補血作用のある食べ物の特徴は、「赤色」。
血の赤、と覚えると良いだろう。
「枸杞(クコ)」の実や「棗(ナツメ)」は、補血作用のある代表的な食材だ。
中国語学校の先生や、同僚の中国人女性が教室やオフィスで食べたり、
お湯に浸して飲んだりしているのを見たことはないだろうか?
上海でも非常に一般的な食材で、野菜市場やスーパーの乾物売り場で購入できる。
食材で血を補ったら、あとは血を送り出すポンプを鍛えること。
すなわち運動も、「血虚」タイプの冷え性を改善するひとつの方法。
心当たりのある人は、是非試してみよう。

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黒色系食材で「温」をとる
身体の熱を取り戻そう

冷え性の女性で、「血虚」の次に多いと言われるのが「陽虚(ようきょ)」。
実は、「陽虚」タイプでは、「血虚」タイプよりも重度の冷えが多いのだとか。
手足の末端だけでなく、手首足首、さらには肘・膝まで冷えるなんていう人は要注意だ。
「陽虚」の原因は、身体を温めてくれるはずの「陽」が不足していること。
そうなると、手足が常に冷たく、特に下半身に影響が出やすくなる。
膀胱炎を繰り返したり、腰周りが痛んだりするとしたら、可能性が高い。
「陽虚」タイプが気をつけることは、
身体の「陽」を奪われないようにすることと、「陽」を補っていくこと。
まず、「陽」を奪われないためには、
冷たい食べ物や飲み物、サラダや刺身などの生ものの摂取をできるだけ避けること。
特に夏野菜や南国フルーツ、
水分の多い食材には身体を冷やすものが多いので、できる限り減らそう。
逆に摂取を増やしたいのは、身体を温める食材。
黒豆・キクラゲなどの黒色系の食材のほか、ターメリックやシナモンなどの香辛料も有効。
また、羊肉も身体を温める効果があるとされ、上海でも冬に羊鍋の店が繁盛するのはそのためだ。
さらに、身体の表面から奪われる熱も減らす必要がある。
例えば水仕事をするときにはゴム手袋をするなどの工夫や、
女性であれば、冬場はスカートを極力避けることが望ましい。
身体の熱を大事にして、温かい生活を送ろう。

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~広東ジャピオン2014年12月1日号

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