水滸巡礼~108の足跡~鄭天寿(ていてんじゅ) 第43回

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山塞屈指の美男子
鄭天寿(ていてんじゅ)

ゆかりの地 安徽省宣城市
あだ名 白面郎君
職業 歩兵軍将校
宿星 地異星

江蘇省蘇州市出身。

地元で銀細工屋を営んでいたが、うまくいかず、放浪に出る。

清風山で山賊の王英(おうえい)と出会い、

第3頭領として山を取り仕切る。

入山後は、歩兵隊に配属され、最期は方臘の戦いの最中、

敵軍が投げたひき臼に当たって戦死。

白い肌の山賊第3頭領
王英と互角の一騎討ち

鄭天寿は、かつて山東省の清風山に居を構えた山賊の一員だった。

頭領の燕順(えんじゅん)、王英(おうえい)に続いて、第3頭領を務め、

色白の美男子であったことから「白面郎君(はくめんろうくん)」のあだ名を持つ。

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安徽省広徳県に位置する太極洞。

「東南第一の洞窟」と呼ばれる鍾乳洞で、全長5400㍍を誇る

鄭天寿が山賊になったのは、かつて営んでいた銀細工屋が廃れ、

諸国を放浪し、清風山を通りがかった際に、

王英と出会ったことがきっかけとされる。

女好きの王英だが、美男の鄭天寿を女と見間違えたか、

鄭天寿に刀を突きつけ、2人は決闘に。

少年時代から武芸好きの鄭天寿、山賊で腕を磨いた王英、

2人は互角の腕前を見せ、なかなか勝負がつかなかった。

王英はそんな鄭天寿の実力を気に入り、仲間に引き込んだ。

こうして、山賊稼業をしているうちに、宋江が山に迷い込んでくる。

旅人の生き胆を食べる習慣があった彼らは、宋江の生き胆を食べようとしたが、

彼が宋江だとわかり、ひれ伏した。

そして、宋江に諭された後、鄭天寿を連れて入山することに。

 

その後は、歩兵軍将校として多くの戦に出る。

呼延灼との戦いでは、敵軍をおびき寄せる働きをし、

朝廷軍との戦いでは、官軍の水夫に扮して敵船に乗り込み、敵将を捕らえるのに成功。

梁山泊には山賊出身の男が数多くいたが、

猛々しく描かれたほかの男たちと比べ、

鄭天寿は天性の美と繊細さを兼ね備えた好漢として描かれている。

 

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敬亭山。

25カ所近くの見所があり、唐の詩人・李白は7度この山を訪れたという

 

鄭天寿が方臘の戦いで倒れた地、宣州(現安徽省宣城市)。

全国でも有数の書道用半紙「宣紙」の発祥地で、多くの書道ファンが訪れる。

この地で、無念の死を遂げた鄭天寿も、

梁山泊の「替天行道」の字を宣紙に書き、山塞を思ったことだろう。

 

332水滸巡礼地図

 

~広東ジャピオン2014年12月1日号

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