ツヤツヤツルツル芍薬美人
「立てば芍薬、座れば牡丹…」。
日本では、美女を芍薬に例えて形容する。
だがこの芍薬、美しい花を咲かせるだけでなく、
地中の根にも驚くべき力を秘めている。
芍薬は、外皮をつけたまま乾燥させたものを「赤芍」、
外皮を取り除いて乾燥させたものを「白芍」と言う。
白芍は、葛根湯の主成分のひとつであるというほど有名な生薬だ。
そのほか、十全大補湯、芍薬甘草湯、四物湯、当帰芍薬散など、
女性に有効な漢方薬に多く含まれる。中でも当帰養血精は、
中国の女性に大人気の漢方薬なのだとか。
白芍の薬理作用は、主に増血で、
月経の不調・不順、貧血や立ちくらみに有用とされている。
また、肝臓に血を送る働きをし、筋肉の硬直やしびれ、
こむらがえりにも効果がある。
中医学では血の調整と貯蔵は「肝」が行うと考えられており、
「肝血」がよく流れると生理が順調になり、
顔色はツヤツヤ、肌もツルツルになるという。
中国では「気血」を補うとして、主にスープにして白芍を摂る。
調理法は、豚肉・シナモン・葱・生姜と共に煮込むだけ。
調味料はお好みで。
そのほか、芍薬の花びらを陰干しし、
おろし生姜と砂糖を加えたものが胃痙攣に効くとされる。
暑さで食欲不振になってしまったら、バテる前に芍薬を。
~広東ジャピオン2013年3月18日号