水滸巡礼~108の足跡~李忠(りちゅう)

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桃花山の山賊王
李忠(りちゅう)

ゆかりの地 安徽省滁州市鳳陽県
あだ名 打虎将
職業 歩兵軍将校
宿星 地僻星

安徽省滁州市鳳陽県出身。

薬売りとして全国を回っていたが、桃花山(現山東省濰坊市青州市市)の頭領、

周通(しゅうとう)と出会い、山賊に身をやつした。

その後、呼延灼(こえんしゃく)との戦いを機に入山。

最期は方臘の戦いで敵の矢を浴びて戦死。

 

流れ者の棒術使い
吝嗇なお山の大将

李忠は、街で棒術の技を披露し、見物人に薬を売って各地を渡り歩いていた。

「梨花槍(りかそう)」なる棒を自在に操り、

物語に有名な棒術使いとして登場する史進(ししん)も、

彼に師事していたというほどの腕前だった。

虎殺しを意味する「打虎将(だこしょう)」のあだ名は自分で付けたものとされる。

 

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鳳陽県中心部から南方30kmの場所に位置する韮山洞。

全長1472mの鍾乳洞で、20ヵ所以上の見所がある 

 

李忠がある日、渭州(現甘粛省隴西県)でいつものように薬を売っていると、

武人として名の知れた史進と魯智深に出会った。

李忠は2人と酒を飲んで親睦を深めた後、山東方面に向かう。

そして桃花山を通りかかった時、山を支配する山賊の周通が襲い掛かってきた。

しかし李忠はその攻撃をものともせず、あっという間に打ち負かす。

周通はすんなりと負けを認めて頭領の座を譲り、

李忠もそれを受け入れ、第1頭領の座に就いた。

 

そんなある時、宋の将軍、呼延灼の軍が山に攻めてくるという知らせを受ける。

周通がすぐに出陣し、呼延灼を迎え撃ったが、まるで相手にならず、李忠も参戦。

さすがは天下に名の知れた呼延灼、李忠は彼の鉄鞭と何度も撃ち合ったが、

なかなか勝機が見えず、万策尽きたと思われたその時、魯智深と武松、

そして呼延灼を追っていた梁山泊軍が到着する。

呼延灼は捕えられ、李忠とともに入山した。

 

入山後は周通らとともに歩兵軍に参加。

物語では、武術には優れるものの、商人出身であるため、

金に細かく吝嗇な一面を持つ人物に描かれている。

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明中都城遺跡。

明代初代皇帝・朱元璋(しゅげんしょう)が建てた城郭の1つ。

1100m続く西華門台が有名

 

李忠の故郷、安徽省滁州市鳳陽県。

明代皇帝・朱元璋の故郷であるこの地は、明代随一の都城であった。

「帝王之郷」の呼び名を持つこの鳳陽県から、

李忠は棒を片手に旅立って行ったのだろうか。

 

~広東ジャピオン2015年4月6日号

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