赤髪の怪人
劉唐(りゅうとう)
ゆかりの地 山西省長治市潞城市
あだ名 赤髪鬼
職業 歩兵軍頭領
宿星 天異星
山西省長治市潞城市(諸説あり)出身の無頼。
晁蓋(ちょうがい)たちと組み、
宋朝の賄賂・生辰綱(せいしんこう)略奪に成功。
その後、梁山泊に逃げ込み、彼らと新制梁山泊を築く。
物語初期からいた人物。
最期は、方臘の戦いで戦死。
さすらいの流れ者
晁蓋らと梁山泊を築く
劉唐は、東潞州(現山西省長治市潞城県)出身のごろつき。
若い時から各地を放浪し、豪傑や侠客たちと親交を重ねていた。
薙刀に似た武器「朴刀(ぼくとう)」なる武器を得物とし、
100人を相手にしても引けを取らないほどの腕前だった。
こめかみの部分に赤い痣があり、そこから赤毛が生えていたことから、
「赤髪鬼(せきはつき)」と呼ばれた。
三仁祠は、孔子の『論語』に登場する商代の3偉人、
微子(びし)、箕子(きし)、比干(ひかん)を祀っている
ある日劉唐は、宋の高官が、宰相の蔡京(さいけい)に、
誕生日祝いと称して莫大な賄賂を送るという情報を得た。
劉唐は、この不義の財を奪い取ろうと考えたが、1人ではどうにもならない。
そこで、天下の義士として名高い晁蓋の協力を仰ごうと、
彼のいる村を訪ねたが、着いた時酒に酔っ払っていたため、
素っ裸で村の屋敷に上がり、眠ってしまった。
翌朝劉唐が目を覚ますと、身体が縛られていた。
この地を巡回していた都頭(警備役)の雷横(らいおう)に不審者として捕えられたのだ。
しかし、晁蓋が劉唐の目的と事情を知ると、
彼が自分の甥であると偽り、雷横に銀を払い、劉唐を解放させる。
そして、晁蓋、呉用が劉唐の計画に賛同し、作戦は決行。
略奪は見事成功した。
しかしこの一件で宋王朝に睨まれ、行き場を失った彼らは、梁山泊に逃げ込む。
晁蓋らは元々梁山泊に居座っていた王倫(おうりん)を殺し、新生梁山泊を築いた。
劉唐は、その後晁蓋が戦死した後も歩兵軍で活躍し、
彼との絆を忘れることなく、最後まで戦った。
原起寺。
潞城市と平順市の境目に位置する古刹で、
747年に建立が開始され、1087年に塔が建てられた
劉唐の故郷とされる山西省長治市潞城県。
伝説の皇帝・炎帝の末裔が暮らしていた場所とされ、
それを物語るかのように炎帝にまつわる遺跡が多く残る。
赤く燃え盛る炎のような激しい攻撃を好んだ劉唐。
梁山泊への信義を最期まで貫いた、熱い漢が確かにここにいた。
~広東ジャピオン2015年8月17日号