水滸巡礼~108の足跡~魏定国(ぎていこく)

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烈火の猛将
魏定国(ぎていこく)

ゆかりの地 山東省徳州市陵県
あだ名 神火将
職業 騎馬軍将校
宿星 地猛星

山東省徳州市陵県出身。

凌州(現山東省徳州市陵県)の軍に属していた生粋の軍人で、

同軍の単廷珪(ぜんていけい)や関勝(かんしょう)らとは

かつて袂を分かったが、

入山した関勝の義に感服し、入山を決める。

最期は方臘の戦いで、

敵軍が仕掛けた落とし穴に落ち、伏兵に襲われて戦死。

 

深紅に染まる猛き将
敵陣に火の矢が飛ぶ

 

魏定国は、単廷珪とともにかつて凌州の軍に属していた。

水攻めを得意とした単廷珪とは対照的に火攻めに長け、

全身赤構えの軍団を統率していた。

烈火のごとく、果敢な攻めをすることから

「神火将(しんかしょう)」と呼ばれていた。

 

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唐城墻は、唐代の書家・顔真卿(がんしんけい)が、

753年に「安禄山の戦い」の攻撃を防ぐために建てた防壁

 

ある日、官軍の宰相・蔡京(さいけい)から、

梁山泊討伐を命じられた魏定国は、

単廷珪とともに関勝(かんしょう)率いる梁山泊軍を迎え撃つ。

一度は関勝の副将2人を生け捕るという手柄を上げたが、

単廷珪が関勝との一騎打ちに敗れ、梁山泊に下った。

これに怒りを覚えた魏定国。

寝返った単廷珪を罵り、得物の火矢で関勝軍を退かせる。

しかし、今度は関勝の援軍が来て、凌城に火を放った。

逃げ場を失った魏定国は、城をまくらに討ち死にする覚悟をした。

この時、単廷珪から彼に仲間に入るよう説得され、情にほだされ、

関勝が単騎で迎えに来るなら投降すると答えた。

すると、関勝は本当に単騎でやって来た。

彼の義に感服した魏定国は、こうして豪傑たちの仲間入りを果たした。

 

その後は、単廷珪と行動をともにし、騎馬軍で活躍。遼討伐戦では、

2人の息が合った攻めで、敵将の高彪(こうひょう)を生け捕った。

また、物語では田虎(でんこ)の戦いで、

敵将を焼き殺す獰猛な場面も見られる。

退くことをしらない怒涛の攻めはその後も続いたが、

最期は方臘の戦いで敵の罠に嵌り、討ち取られてしまった。

 

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徳州仙人湖。約666万㎡。

1987年に建設が開始された人造湖で、

遊覧船や釣りが楽しめるレジャースポットとなっている

 

魏定国の故郷、山東省徳州市陵県。

山東省の北西部に位置するこの地は、

前漢時代の政治家・東方朔(とうほうさく)を輩出し、

水と緑に恵まれた風光明媚な土地。

火が燃え尽きるかのごとく散った魏定国も、

死の直前に故郷の美しさを思い浮かべたことだろう。

 

361-472水滸巡礼地図 

 

 

~広東ジャピオン2015年7月13日号

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