民族訪ねて三千里~プーラン族(布朗族)第29回

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独自の文化を守る村

太陽を呼ぶ雄鶏

 

プーラン族の一部はミャンマーにも居住しているため、

彼らは行き来し盛んに交流している。

長い歴史の中で、タイ族文化の影響を強く受けてきたが、

村によってはその交通の便の悪さから、

独自の文化を多く残すところもあるという。

 

またプーラン族の神話によると、「グミヤー」という神が天地を創造したという。

「グミヤー」は〝リ〟という、サイによく似た巨大な獣を殺し、

皮で天を、肉で地と万物を、最後に脳を使って人間を作った。

そして〝リ〟の脚を東西南北に立てて天を支える柱にし、

亀を1匹捕えて大地を支えさせた。

 

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1. プーラン族の女性たち。妊娠中の女性は、結婚式や葬儀、祭りに参加してはいけないという

2. 高床式の住居が並ぶ村。最近では、瓦屋根も増えつつある

3. ドリアンを採る男性。熱帯の山林は、南国フルーツの宝庫だ

 

その後、グミヤーと仲の悪い太陽9姉妹と月10兄弟が、

この世界を滅ぼそうと一斉に現れたため、大地は乾いてひび割れ、植物は枯れた。

グミヤーは最も高い山へ登り、太陽や月を弓矢で次々と射落としていった。

太陽と月は残り1人ずつになり、

グミヤーを恐れて洞窟へ隠れたので、地上は闇に閉ざされた。

そこで雄鶏が太陽に優しく話しかけ、雄鶏が鳴いたら出てくるよう説得し、

月と交互に出るよう約束させた」。

 

プーラン族にとって最大の祭りは、

新暦4月中旬に7日間に渡って行われる「厚南節(桑刊節)」。

この日、人々は井戸に出向いて水神に餅や米を供え、

汲み上げた水で作った料理を祖先神に供える。

 

プーラン族が暮らす山間の村は、雲のかかる谷間を挟んで、

ミャンマーの村々が見渡せる。

山は高湿多雨であるため、山には茅葺屋根の高床式住居がずらりと並び、

異国情緒の強い風景に見惚れる。

一度は訪れ、エキゾチックな気分に浸りたい。

 

~広東ジャピオン2013年7月1日号

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