水滸巡礼~108の足跡~張横(ちょうおう) 第42回

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四方の塞を守る水軍頭領
張横(ちょうおう)

ゆかりの地 安徽省安慶市宿松県
あだ名 船火児
職業 水軍頭領
宿星 天平星

安徽省安慶市宿松県出身。

浪裏白条(條)と呼ばれた張順(ちょうじゅん)の兄。

表向きは潯陽江(現長江)の渡し守であったが、

その実、乗客から金品を奪い、日々の糧を得ていた。

宋江が偶然船に乗ってきたことをきっかけに入山。

水軍を指揮し、奇襲や生け捕りを得意とした。

最期は杭州で病死。

宋江を殺そうとした船頭
梁山泊水軍の猛き兄

張横は、実の弟である張順とともに、

潯陽江(現長江)で渡し船を営んでいた。

しかし、堅気の船頭ではなく、

乗客から金を巻き上げる追い剥ぎであった。

赤い髪を持ついかめしい外見で、気性の荒い性格だったことから、

「船火児(せんかじ)」と呼ばれていた。

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「南国小長城」と呼ばれる白崖塞。

元朝末期に、この地に建てられた山の要塞の一部として残る

ある日、張横の船に3人の男が乗り込んでくる。

それは、殺人罪で流刑となり、潯陽江まで流されてきた宋江と部下たちで、

川を渡って逃げようと、船に乗ってきたのだった。

宋江が乗ると張横は刀を突きつけ、金品を要求。

なかなか応じようとしない宋江に、張横が手を掛けようとしたその時、

漁師の李俊(りしゅん)がやって来て阻止。

李俊は宋江と親交があり、張横に彼が宋江であることを告げる。

張横は慌てて刀を収め、宋江を歓待する。

そしてこれをきっかけに、張横は梁山泊の一員となった。

 

入山後は、同時期に仲間入りした張順とともに水軍を率いて、

祝家荘戦、対呼延灼戦と、

続けざまに敵将を生け捕り、多くの戦功を立てた。

戦闘では常に弟と2人1組の働きをするが、

琺方臘の戦い・杭州戦で、張順は敵将・方天定の矢に倒れると、

兄の身体へと乗り移り、自らの仇を討ち、皆を救った。

張横は最愛の弟の死を悲しんだが、

日を置かず自らも疫病にかかって没した。

 

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小孤山。

同県南東60kmの長江に位置する、高さ100m以上の奇岩で、

氷河期に形成されたとされる

 

張横の故郷、安徽省安慶市宿松県。

長江中下流域に位置するこの地は、

黄湖、大官湖など4つの湖を有し、

水資源が豊富で漁業の盛んな街として名を馳せる。

特に、黄湖の銀魚や白蝦は特産品だ。

眩しく輝く銀魚と、白く透き通った美しい白蝦の姿は、

張横、張順兄弟を彷彿とさせる。

 

331水滸巡礼 地図

 

~広東ジャピオン2014年11月24日号

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