水滸巡礼~108の足跡~王定六(おうていろく)

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電光石火の情報伝達
王定六(おうていろく)

ゆかりの地 安徽省淮南市
あだ名 活閃婆
職業 情報収集
宿星 地劣星

江蘇省南京市出身。

長江河岸で居酒屋を営んでいたが、

梁山泊水軍頭領・張順(ちょうじゅん)を助けたことが縁で入塞する。

持ち前の駿足と泳ぎの能力を買われ、情報収集役を任される。

最期は、方臘の戦いで敵の毒矢を受け、死亡。

 

張順の危機を救う
陸を走り、河を泳ぐ

 

王定六は、建康府(現江蘇省南京市)付近の長江河岸で、

居酒屋を営んでいた。

幼少の頃から武道に親しみ、泳ぎにも長けていたほか、

稲妻の如く走る駿足の持ち主でもあった。

その速さは、

稲妻の神を表す「活閃婆(かつせんば)」の名で呼ばれるほどだったという。

 

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古寿州窯跡。

唐代の陶器の生産地であったとされ、

1960年の発掘以降、多くの遺構が発見されている

 

ある日、王定六の居酒屋に、

全身ずぶ濡れの男が助けを求めてやって来る。

男は梁山泊水軍の張順(ちょうじゅん)。

話を聞くと、彼は重病を患った宋江のため、

名医で知られる安道全(あんどうせん)を探すべく、

渡し船で建康府に向かっていたところ、

船頭に有り金を奪われ川に突き落とされたのだという。

張順がかの梁山泊の好漢だと知った王定六は、

衣服と金を与えて介抱する。

その後、張順は安道全を無事に探し出し、梁山泊に戻った。

また、張順を襲った船頭は、

王定六の店によく通う客の1人で、

王定六にはおおよその見当がついていた。

王定六は早速、船着場に向かおうとする張順に会いに行き、

犯人を教えた。

王定六と張順はともに変装し、犯人が漕ぐ船に乗りこむと、

船が沖まで進んだところで、船頭を押さえ込んで川に落とした。

張順の素早い身のこなしに感嘆した王定六は、

山塞の仲間入りを懇願。

張順も恩義に応え、王定六を連れて帰ることにした。

 

入山後は俊足を活かし、山塞の情報伝達の拠点、

北山酒店の経営を任される。

梁山泊には、同じ駿足の戴宗(たいそう)がおり、

速さでは敵わなかったが、

王定六はまた泳ぎの能力を活かし、情報伝達に貢献した。

 

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八公山。

前漢時代の学者・劉安がこの地で豆腐を発明したとされる。

標高241m

 

王定六が王慶討伐戦で戦った地、安徽省淮南市。

淮河の両岸を跨ぐこの地は、

豆腐の発明者・劉安(りゅうあん)の故郷として知られる。

情報収集に奔走した王定六は、

この地の野山を駆け、川を泳いだことだろう。

 363-474水滸巡礼 map

~広東ジャピオン2015年7月27日号

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