民族訪ねて三千里~ローバ族(珞巴族) 第47回

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中国最少の民族

大陸に轟く弓矢技術

 

ローバ族は、中国の少数民族中で、最も人口が少ない。

主にチベット高原東部や西部に分布し、

大多数が交通の不便な高山、渓谷地帯に暮らす。

 

そんな彼らの生活を支えるのは狩猟。

野山を巡っては鳥や鹿、野牛などの動物を捕え、日々の糧にしている。

弓矢は猟に欠かせない道具で、矢の先に毒を塗って射るのだが、

村の男は弓術の上手さで、男としての真価が問われるという。

そんな彼らの古い言い伝えに、弓にまつわる話がある。

 

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1.弓を握るローバ族の男性。名手になれば村の英雄扱いに

2. ローバ族の子どもたち。衣服は植物の繊維や動物の皮で作られる

3. 居住地の1つ、林芝市。山水の美しさで知られ、

   最も高地にある川、雅魯蔵布江がその中を流れる

 

「ある日、ローバ族の男が白湖と黒湖という2つの湖の畔で

薪割りをしていた時のこと。

白湖から白い牛、黒湖から黒い牛が急に現れ、2頭が争い始めた。

黒い牛は白い牛を圧倒し、殺す勢いであった。

これを憐れに思った男が黒い牛に矢を放つと、

黒い牛は倒れ、湖は赤く染まっていった。

その後、白湖から1人の娘が現れ、男に、礼をするため、湖底にある城に招いた。

男は言われた通り城に行き、主に会った。

実は、主は先の白い牛で、娘の父親であった。

男はしばらく手厚い歓待を受けたが、地上に帰ることを伝えると、

主は、手土産に欲しい物を与えると言った。

そこで主に仕えていた老婆が、男に白い犬をもらうよう勧め、

男は言われた通り白い犬をもらって地上に戻った。

すると突然、犬が白い皮を脱ぎ捨て、先ほどの主の娘に変身した。

娘は男の生活を助け、やがて2人は結婚し、幸せに暮らした」

 

どんなに文明が発達しても、弓を使う生活は変わらず、

弓にまつわる話はほかにも数多い。

そこに行けば、厳しい自然との対峙の中で磨かれた、

彼らの弓術を目にするかもしれない。

 

~広東ジャピオン2013年11月11日号

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