槍棒を使う薬売り
薛永は河南省洛陽市の薬売り。
祖父が武官であったため、薛永は幼い頃から槍棒を習い、その腕は確かなものであった。
しかし、家が落ちぶれたため、流れ者となり、街で槍棒の技を披露し、
見物人に薬を売り歩く商いを始める。
薛永は、虎のように猛々しく、武術には秀でていたが、従軍することなく、
実力を発揮する場を持てずくすぶっていたため、
虎まがいを意味する「病大虫(びょうたいちゅう)」のあだ名で呼ばれた。
洛陽市南部に位置する龍門石窟。
洛陽市に遷都された494年に造営が開始され、
院内には2000以上の石窟がひしめく
薛永が生まれた河南省洛陽市。
龍門石窟や白馬寺など複数の歴史遺産を擁する。
かつて、シルクロードの中国側起点となり、
文化往来が盛んであったこの地から、
薛永という1人の男が、〝水滸ロード〟へ旅立った。
白馬寺。洛陽市郊外の仏教寺院で、名前は白馬に乗った2人の僧が、
洛陽を訪れたことに由来する
~広東ジャピオン2014年8月18日号