冬の乾燥防止のチョロギ
チョロギは、中国原産のシソ科の多年草で、日本へは江戸時代に伝来した。
日本では、赤く漬けたチョロギを縁起物として、おせち料理の1品に加える。
また一般的には、天ぷらや吸い物にして食べられる。
主に根茎を食し、ユリ根に似た食感と、生姜のようなピリッとした辛さが特徴。
チョロギは、スタチローゼやグルタミン、アルギニンなどの薬効成分を含むため、
五臓の緊張を和らげ、整腸作用、滋養強壮が期待される。
中医学書『本草網目』では、風邪の予防や、
血流の促進、精神の安定作用があると記される。
また、肺を潤し、咳を止め、皮膚の乾燥を抑える働きがあり、
関節の痛みや皮膚の痒みの緩和にも有効という。
中国でチョロギは、風邪、咳、腰痛、肺疾患などの症状改善を目的に食される。
なお、豚肉細切れとチョロギを一緒に煮たものを、
冬場の乾燥を予防する薬膳スープとして飲む習慣がある。
ただし、漢方学では、身体を潤す効果があると考えられているため、
下痢をしやすい人や痰のからむ咳の出る人は、食さない方がよいようだ。
乾燥からくる風邪や肌トラブルなど、
冬場の悩みに有効と言われる成分を、豊富に含むチョロギ。
天ぷらや吸い物などでおかずに取り入れ、乾燥対策してみては。
~広東ジャピオン2015年1月12日号