天然的生活 第47回 ~通草(アケビ)

341TENNEN

 

アケビでトイレトラブル知らず

淡い紫色の果皮に、とろりとした甘い果実。

日本では、東北以南の秋の風物詩として知られるアケビ。

俳句・短歌の世界では、秋の季語とされている。

 

しかしこのアケビ、中国では夏に実り、

そもそも果実を食すことはあまりない。

生薬としては、花やつる、茎を乾燥させたものが「通草」、

「木通」といった名前で知られており、酒に漬けこんだり、

煎じたりして飲まれることが多い。

 

主な効能は、利尿作用と鎮痛作用で、

尿管結石や膀胱炎、尿管炎など、排尿を促したいときに摂取すると良い。

つるや葉を煎じたり、果実を黒焼きにした調理法もある。

含有成分として代表的なのは、

目の疲れに効果があるアントシアニン。

また、目に外傷を負ってしまった時には、

つるを節目で切って片側から吹くと出てくる白い樹液を塗ったり、

干した果実を細かく砕き、煎じたもので目を洗ったりするのに用いられる。

 

さらに、身体の気の流れを良くするので、

気分の浮き沈みが激しい時や、イライラにも効果がある。

ストレスで胃が痛くなりやすい人にオススメだ。

ただし、茎の部分には毒があるので、服用時には医師に相談のこと。

汗をかくとトイレが遠くなりがちだが、

泌尿器トラブルに備えてアケビを食べよう。

 

~広東ジャピオン2013年3月25日号

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