遊牧民から山の民族
13歳で迎える成人式
プミ族は、主に雲南省の怒江リス族自治州蘭坪ペー族プミ族自治県に暮らす。
山地に住み、農耕を主体とした生活を送っている。
伝説によると、かつては元軍と共に、
騎馬民族・筅族の末裔として四川、青海省周辺で遊牧生活をしていた。
その後、何千年の時をかけて山を越え谷を越えして南下し、雲南省に移住してきた。
そしてこの地で、生活を送るようになったという。
そんなプミ族は、旧暦7月に行われ、山の神を奉る「転山節」や、
皆で「蘇里瑪酒(スリマ酒)」という小麦のお酒を作って、
豊作を祝う「蘇里瑪節」など、年間で10以上の大きな祭りを開く。
中でも代表的なのが彼らの成人式である「大年節」。
1. プミ族の女性。青か白のプリーツスカートを穿き、鮮やかな腰帯を巻く
2. プミ族の家屋。熱帯雨林気候に属するため、木で作った風通しの良い高床式が特徴
3. 彼らの民族舞踊「打鍋庄」。歌いながら輪になって踊る
「大年節」は、男女共に13歳で行うが、男女によって方式が異なる。
男子は家屋にて、神が宿ると言われる「擎天柱」まで歩き、
穀物の入った袋と豚肉を両足別々に踏む。
式の主催者である母方のおじが男子の右手にナイフ、
左手に硬貨を持たせ、長ズボンを穿かせる。
一方、女子の式は母親が執り行う。
同じく「擎天柱」まで歩かせた後、両足で穀物の入った袋、豚肉を踏ませ、
右手にイヤリング、左手に麻布など日常生活の品を持たせ、最後に長いスカートを穿かせる。
そして、神や親族に酒を捧げたら儀式は完了。
成人年齢が13歳であるのは、かつて彼らが元軍と南下していた時、
プミ族の13歳の若者2人が勇敢に戦ったのを、
元の初代皇帝フビライ・ハンが称賛したことに由来する。
この神聖な成人式を目の当たりにすると、
居住地を求めて続けられた、辛い旅が浮き上がってくる。
~広東ジャピオン2013年10月7日号