胃腸に優しいナツメグ
独特の甘い香りと、ほろ苦い味わいが特徴のナツメグ。
日本では、ハンバーグやミートローフなどの
挽き肉料理に欠かせない香辛料の1つとして知られている。
ナツメグは特に身体を温める効果があり、
冷え性の女性にオススメの生薬とされる。
また、消化器系に効果を発揮し、
整腸作用、腸内ガスの抑制、下痢防止の効能も期待できる。
日本では、太田胃散やパンシロンなどの家庭常備薬に配合。
漢方では、芳香性健胃薬として処方され、
口臭予防効果もあるとか。
ただし、身体を温める働きがあるので、
体温の高い人や寝汗をかく人は摂取を控えよう。
また、多量摂取は痙攣や幻覚を引き起こす恐れがあるので、注意が必要。
中国でナツメグは、その甘い刺激性の香りで肉の生臭さを消し、
冷蔵庫のない時代には肉の保存剤として用いられてきた。
中国の家庭では、豚足のスパイス煮込みや牛肉麺のスープなどに、
味付けのアクセントとして用いている。
また、ナツメグを使う名物中華料理としては、
河南省の「道口焼鶏」や、モンゴル火鍋などが有名。
蒸し暑いこの季節。
夏バテなどで胃腸の調子が良くない時は、
ナツメグをスパイスとして料理に取り入れ、
ガッツリと肉料理を楽しもう。
~広東ジャピオン2014年6月30日号