水滸巡礼~108の足跡~陶宗旺(とうそうおう) 第25回

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314 水滸巡礼 人物

 

鍬を武器にする多才な亀

難攻不落の要塞を建造

 

陶宗旺はかつて、

故郷の光州(現河南省潢川県)で農業を営んでいた。

家業が行き詰まり、諸国を放浪していたところ、

黄門山なる山に迷い込み、山賊の一味になった。

槍や刀も使えたが、幼い頃から農業に携わっていたため、

鍬を武器として自在に操った。

武術のほか、土木に関する知識経験が豊富で、

その多芸多才を、9つの尾を持つ伝説の神亀にたとえ、

「九尾亀(きゅうびき)」と呼ばれた。

 

314 水滸巡礼 風景 横

潢川県の西部に位置する古代遺跡、黄国故城。

総面積は約1万3000㎡とされ、

青銅器や武器が出土している

 

ある日、陶宗旺は、

山賊の長、欧鵬(おうほう)と山を監視していたところ、

宋江一行が通るのを見かける。

天下に名高い梁山泊の首領に会いたくなり、

彼を山に招待して盛大にもてなした。

宋江も彼らの実力を買い、梁山泊への仲間入りを打診。

しかし、彼らが加入した直後に宋江が捕縛され、

陶宗旺らはすぐに出陣、宋江を無事に救出した。

 

この件で評価された欧鵬は、騎馬軍主力に配属。

一方、陶宗旺は前歴を買われ、

梁山泊の道路建設、水路の整備、農耕の任を命ぜられる。

山塞の規模が拡大していくに従い、

城郭の砦や柵、石垣の建築など、

建設業務全般の総監督を担うようになり、

城郭をさらに堅牢なものにしていった。

後に難攻不落と言われた梁山泊は、

陶宗旺なしには築けなかったであろう。

 

314水滸巡礼 風景縦

春申君陵園は、春秋・戦国時代の政治家、

春申君(しゅんしんくん)の墓と言われ、

毎年多くの人が訪れる

 

陶宗旺が生まれた河南省潢川県。

この地は、春秋・戦国時代、

現在の上海及び付近一帯を支配していた、

春申君の故郷としても知られる。

かつて黄国と呼ばれた潢川県には、

黄国故城など、その規模の大きさを物語る遺跡が残る。

今日、全国有数の農業地となった潢川県。

その土地は、陶宗旺がかつて耕したものだったかもしれない。

 

314水滸巡礼 地図

 

~広東ジャピオン2014年7月21日号

 

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