水滸巡礼~108の足跡~阮小七(げんしょうしち)

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阮氏三雄の末弟
阮小七(げんしょうしち)

ゆかりの地 山東省泰安市東平県
あだ名 活閻羅
職業 水軍頭領
宿星 天敗星

石碣村(せきけつそん=現山東省泰安市東平県、諸説あり)の漁師、

阮3兄弟の末弟。

軍師呉用による財宝略奪作戦に貢献したことが転機となり、入山。

3兄弟で唯一生き残った人物で、

方臘の戦い後は、再び故郷で漁師となり、60歳で生涯を終えた。

 

3兄弟一のやんちゃ坊主
最後まで朝廷入りに反対

 

阮小七は石碣村の漁師で、長兄の阮小二(げんしょうじ)、

次兄の阮小五(げんしょうご)を合わせ、阮3兄弟と呼ばれた。

あばた面に突き出た眼、顎には黄色い鬚をたくわえ、

鋼のように逞しい体つきをしていた。

「この世の閻魔大王」を意味する「活閻羅(かつえんら)」

という恐ろし気なあだ名を持つが、

三男坊のせいか子どもっぽく、いたずら好きの少年であった。

 

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『水滸伝』のテーマパークの1つ東平水滸主題公園。

石碣村や史家村など、実際に物語に登場する街が再現されている

 

ある日、兄弟は旧友の呉用に頼まれ、

宋朝廷が賄賂として運ぶ生辰綱(せいしんこう)なる財宝の略奪計画に手を貸す。

計画は成功したものの、宋朝がこの件を知り、呉用たちを捕獲すべく追っ手を放った。

兄弟はこれを避け、川までおびき寄せると、追っ手の船の下に阮小七が潜った。

阮小七は子どものように笑いながら、次々と船を揺らして転覆させ、追跡を振り切る。

そして彼ら兄弟は、梁山泊に迎え入れられ、入山することとなった。

 

その後阮小七は、水軍の指揮を執る。

しかし梁山泊の朝廷帰順には反対しており、

ある日、山塞にやって来た朝廷の使者を騙して、

朝廷から贈られた御酒をどぶろくと入れ替えた。

これに怒った頭領たちは、帰順の話を反故にするよう仕向けるという、

とんでもない悪戯を仕掛けたのだった。

しかし結局梁山泊は朝廷入りし、初戦となった方臘の戦いで兄2人が戦死。

梁山泊は勝利したが、

兄を失った怒りから阮小七は朝廷をますます嫌い、遂には梁山泊を去った。

 

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東平湖。

宋代、梁山泊一帯に広がっていた湖沼地帯の中で、

現存する唯一の湖とされる。総面積627km²

 

兄弟の故郷、石碣村があったとされる山東省泰安市東平県。

梁山泊の中に広がる東平湖は、街の貴重な水源となっている。

この湖を漁師の身に戻った阮小七も、

あどけない笑顔で船を漕いでいたのだろうか。

 

~広東ジャピオン2015年3月2日号

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