民族訪ねて三千里~カザフ族(哈薩克族) 第12回

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白鳥の始祖伝説

多彩な伝統音楽

 

カザフ族は、中央アジア西部のカザフステップに広がって居住しており、

中国国内の新疆ウイグル自治区にはそのうち約130万人が住んでいる。

新疆ウイグル自治区のイリ・カザフ自治州ほか3つの自治県は、

カザフ族の区域自治単位となっており、近代の定住化を経て一部が農耕民となったが、

いまだ遊牧生活を送る者もいるという。

 

カザフとは「白鳥」、「自由人」という意味を持つが、

彼らには古くから伝わるこんな伝説がある。

 

その昔、ある若い狩猟が戦争で負傷し、城壁を彷徨っていたところ、

1羽の白鳥が舞い降りて彼を救った。そして白鳥は美しい少女に姿を変え、

2人は結婚し、生まれた息子に「カザフ(白鳥)」と名付けた。

人々は今でも、白鳥を聖なる鳥とし、少女たちは白鳥を恋のシンボルと信じているという。

 

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1. カザフ族の家族。家は自分で建てるという

2. カザフ族の夫婦。女性は色鮮やかなドレスの上に、黒字に金の刺繍を施したベストを着る

3. カザフ族の伝統的な塩味の揚げパン「ボルザック」。モチモチとした食感が好まれる

 

カザフ族の代表的な弦楽器「ドンブラ」で弾き語りをする吟遊詩人「アクン」は、

伝統的な系譜を歌い継いでいる。

中でも「アイトゥス(アクン弾唄会)」と呼ばれる歌の祭典には、

自治区内各地から歌い手たちが集まり、即興の歌を競い合う。

 

またこの祭典は、情報交換や交易の場としても大きな存在となっており、

屋台や衣類・雑貨を売る店で賑わうとか。

ほかにも、子守唄「ベシク・ジュル」や熊の踊り「アユ・ビー」、

ドンブラの独奏「アクアラル」など、伝統的な楽曲は実に多彩だ。

 

イリ・カザフ自治州アルタイ地区の「アルタイ」は、

モンゴル語で〝金〟を意味する。この地方では金を産出するほか、

〝アルタイ大尾羊〟が有名。

原始林や湖沼の豊かな資源に育まれた人々の、

豊かな暮らしに触れる旅がオススメだ。

 

~広東ジャピオン2013年2月25日号

 

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