菖蒲で心も身体も健やかに
北海道から九州まで、日本各地の水辺に美しい花を咲かせる菖蒲(しょうぶ)。
その芳しい香りは、気を静め、心を穏やかにしてくれる。
漢方医学では、精神を落ち着かせるなど、心に働く妙薬とされており、
「白菖」、「菖蒲根」という漢方薬になっている。
これらはストレスからくる肌荒れや不安症などによく用いられる。
中国では、薬膳酒やお茶にして飲まれることが多い。
「菖蒲薬膳酒」は、乾燥させた菖蒲をみじん切りにし、
砂糖を溶かしたお湯に白酒とともに入れて冷暗所に20日ほど置くとできあがる。
お茶は乾燥させた菖蒲を干し梅や黒糖、乾燥ナツメとともに、お湯で割るだけ。
これらの服用法は、安眠・安静・健忘症・暴飲暴食に効果があるという。
ただし、菖蒲の種類によっては吐き気を誘発するので、医師に相談のうえ服用すること。
経口摂取以外については、通常、葉や根、茎が入浴剤として利用される。
また、湿式サウナでは床に敷いて蒸すようにすると、
鎮痛効果のある芳香を放出するため、皮膚や呼吸器から体内に吸収することができる。
これは冷え症や肩こり、疲労痛に有効とされ、いずれも血液循環を促す作用による。
菖蒲を内と外から取り入れて、心も身体もリラックスしよう。
~広東ジャピオン2013年4月15日号