天然的生活 第44回 ~花椒(山椒)

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季節の変わり目に山椒

日本を代表する香辛料のひとつであり、

上品な香りと、しびれる辛さを特徴とする山椒。

別名「ハジカミ」とも言われ、意外にも柚子や金柑と同じミカン科の植物である。

効能としては、身体に熱を与える作用を持ち、

手足の冷え症や冷えからくる胃痛、手足のむくみにとても効果的とされている。

また、湿疹によるかゆみには、山椒を煎じた液で患部を洗うと良い。

ただし、非常に刺激の強い生薬で、過度に摂取すると、

逆に胃腸を傷めることもあるので要注意。

 

日本では、料理の辛味付けや香り付け、彩りとしてよく用いられる。

特によく食べられている「ちりめん山椒」は、冷凍保存もできて便利。

ちりめん100㌘に対し山椒10粒程度を炒ればOKだ。

味付けはみりん、醤油、酒。鍋を揺するようにし、箸などで混ぜないこと。

 

中国でも、調味料として炒めものや火鍋に使用されている。

また、昔の接骨医は、打ち身や捻挫、むち打ち症の治療の際、

乾燥させた山椒の葉を粉末にし、卵白、小麦粉と混ぜ合わせ、患部に貼っていたようだ。

基礎代謝の活性化や、発汗作用にも優れる山椒。

季節の変わり目は身体を冷やしがちだが、

料理に山椒を取り入れて乗り切ろう。

 

~広東ジャピオン2013年3月4日号

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