広東ジャピオン特集6~顔写真付き「中国調味料」大全(中)

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中華料理の、香り付けと味付けに欠かせない調味料の数々を、

この世に送り出すスパイスブランド「王守義」。

どのパッケージにも、その創業者である王守義の顔写真が付いている。

 

彼は、北宋時代から続く薬局「興隆堂」の継承者で、

祖父より伝えられた、秘伝の調味料の処方が、貧しかった彼の人生を変えた。

その調味料とは、1101年に興隆堂が作り上げたもので、

当時、北宋の都・東京(現河南省開封)にその名は轟き、皇室御用達にまでなったという。

彼は、その調味料の処方を基に、さらに中国伝統の調味理論と、

食事療法を取り入れ改良し、1950年、新たな調味料を考案した。

これが、香辛料の「王守義十三香」だ。

 

身体を温めるものや身体の内部の余分な湿気を取り除くものなど、

様々な特性の漢方薬剤をバランス良くブレンドして作り上げる調味料の数々は、

健康的な生活を送る上で、中国人の必須のスパイスとなっている。

 

①十三香

名前は「十三香」だが、使われている原料は13種類に留まらない。

胡椒や丁香(クローブ)、花椒(中国サンショウ)、桂皮(シナモン)、大茴(八角)など、

20種類以上の天然漢方薬剤を加工精製し作られている。

どんな料理に入れても、本格的な中華料理に仕上がる〝魔法の粉〟と言え、

餃子の餡の隠し味として使われることも多い。

 

②麻辣鮮

十三香では刺激が足りないという人は、コチラを。

舌がヒリヒリする感覚が持続する。

 

③孜然粉

「孜然」はカレーなどに使われるクミンのことで、

シシケバブなど、羊肉料理のにおい消しとして有名。

また、ザーサイやピクルスなどの漬物、焼き魚に用いるのもアリ。

 

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四川省や重慶周辺の特産品として知られる「ザーサイ(榨菜)」。

宋の時代に涪州(現重慶市涪陵区)で作られ始め、

1930年頃から、当時の四川省涪陵県特産品として

本格的に流通するようになったという。

この、お粥のベストパートナーたる薬味・ザーサイを、

顔写真付きで販売する「漢超」というメーカーがある。

 

調べてみると、同メーカーは97年に四川省で創立された、

非常に新しい会社であることが判明。

写真の人物に関しては、会社名から〝漢超〟という名前であることは想像に難くない。

しかし、会社の公式サイトに確たる記載はなく、

電話も通じないので、実際にそうなのかは不明である。

ただネット上では、

会社のある眉山市東坡区の食品商会副会長・劉漢超が率いる会社が、

「漢超食品」であるという記述も見られるため、

写真の人物は、劉漢超であろうと推測できる。

 

①下飯菜

商品名の「下飯菜」とは、食欲をそそる料理のこと。

その名の通り、ご飯が進む少し塩辛い味付けかと思いきや、

ちょっと甘めで、ご飯よりお酒が進む感じだ。

ゴマ油をふんだんに使用しており、

ゴマを大量に食べているような感覚がある。

全体的に薄味に仕上がっている。

 

②娃娃菜

ミニ白菜(娃娃菜)の漬物。

塩気が強く、ピリ辛度合いも高いため、

前述の「下飯菜」より、さらに食欲をそそる。

しっかりした味付けで、麺料理の具として加えるのも悪くない。

 

③牛肉香菇

牛肉の旨味と唐辛子の効いたザーサイがベストマッチ。

シイタケには、ピーナツやゴマの味がしっかり染み込んで、

さらにあと引く辛さもあり、ビールとの相性もバツグン。

 

~広東ジャピオン2013年9月9日号

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