日本では中国将棋とも言われる「象棋(シャンチー)」。
夏であれ冬であれ、道端や公園でおじさんの人だかりができていたら、
そこには、象棋で遊んでいる人がいる確率が高い。
その起源は、古代インドのボードゲーム「チャトランガ」とされ、
また漢の将軍・韓信が、楚の項羽との睨み合いの最中に、
兵士たちの暇潰しと戦略眼養成用に発案したという伝説もある。
そのためか(?)、現代中国では、れっきとしたスポーツ競技だ。
身体を動かすのはどうも苦手…という人は、
春節に頭くらいは動かして、〝知の格闘技〟を楽しもう。
象棋(シャンチー)
【遊び方】
人数:2人
目的:相手の「帥(シュワイ)」または「将(ジャン)」を詰める
①駒(棋子)を双方が7種16枚持ち、上にある初期配置図のように配置する。
先手は赤い駒を用いる
②上記・左記のルールや駒の動かし方に基づき、先手から自色の駒を1回動かす
③相手の駒を取りつつ、日本の将棋の王将や玉将に当たる、「帥」か「将」を詰める。
もしくは、相手の番で相手がどの駒も動かせない状態(困死)、
チェスでいうところのステイルメイトにしても勝ちとなる
ルール
・中央に河が流れている設定で、縦線は引かれていないが、
・駒を動かす時は、線が引かれているものとしてプレーする
・日本の将棋と異なり、駒を取っても、持ち駒として再利用することはできない
・「帥」と「将」が同じ列にあり、その間に他の駒が1つもない状態にしてはいけない。
・これを「対面笑(ドゥイミエンシアオ)」もしくは、「王不見王(ワンブジエンワン)」という
・日本の将棋の王手に当たる「将(ジャン)」は、連続で3回以上繰り返してはならない
・駒が減り、双方が相手を詰められなくなった場合は、引き分けとなる
駒の動かし方
A.帥(シュワイ)・将(ジャン)
前後左右に1マス分進める。ただし、「九宮」(上記図参照)から出ることができない
B.仕・士(シー)
斜めに1マス分進める。ただし、九宮から出ることができない
C.傌・馬(マー)
左右→斜めor前後→斜めに1マス分ずつ進める。
将棋の八方桂やチェスのナイトと同じ動き。
ただし、駒が隣接している場合は、その方向へは進めない
D.相・象(シャン)
斜めに2マス分進める。
ただし、他の駒を飛び越えることや、「河界(中央の河)」を越えることはできない
E.俥・車(ジュー)
縦横に何マス分でも進める。日本の将棋の飛車と同じ動き。
〝チャー〟とは読まないので注意
F.炮・砲(パオ)
縦横に何マス分でも進める。
ただし相手の駒を取る時は、他の駒を1つ飛び越えなければならない。
飛び越えずに相手の駒を取ることはできず、取らずに飛び越えることもできない。
飛び越えない場合は「俥・車」と同じ動きとなる
G.兵(ビン)・卒(ズー)
前に1マス分進める。河界を越えると、左右にも1マス分進めるようになる
以上のように、日本の将棋や西洋のチェスなどのルールが入り混じった感じの象棋だが、
駒をマスの中ではなく、マス目の交差するところに置くなど、
細部で微妙に異なり面白い。
初めは、「炮・砲」の動きなどに戸惑う可能性が高いが、
日本の将棋のルールを知っていればすぐに覚えられるので、
中国人の友達に習いつつ遊んでみよう。
~広東ジャピオン2014年1月20日号