「黄酒(紹興酒)」や「白酒(パイカル)」だけが、中国酒ではない。
フルーツ豊富な中国では、果実酒系のお酒も百花繚乱。
その中でも、広東のスーパーなどで手軽に購入できるものを紹介していく。
①洋葱紅酒(タマネギワイン)
果実系のお酒の代表といえばワイン。
とはいえ普通のワインは飲み飽きたという人には、このタマネギワインを是非。
赤ブドウ72%、タマネギ28%の割合で作られたこのワインは、
初めは普通のブドウ酒としか思えない口当たり。
ただ飲み干した瞬間、じわじわとタマネギの苦味が口の中を襲う。
飲めば飲むほどタマネギを感じるが、
タマネギを生で食べたときのような辛さはなく、
あっさりしているので、お酒が得意でない人でも大丈夫な味わいだ。
② 桂花酒(キンモクセイ酒)
白ワインにキンモクセイ(桂花)の花を漬け込んだ、日本人にもおなじみの果実酒。
コルクを抜いた瞬間に、キンモクセイの甘い香りが漂い、
飲むと優しい甘さが身体を突き抜ける。
癖がなくて飲みやすいので、女性と一緒に飲む際は、必ず用意したい。
また、ライチ・リキュール、グレープフルーツジュースなどとともにシェイクすれば、
カクテル「楊貴妃」が出来上がる。
絶世の美女に想いを馳せつつ愉しむのもいかが?
③ 山楂酒(サンザシ酒)
甘ったるい香りのため、軽い気持ちでガブッと飲みがちだが、
果実酒にしてはアルコール度数も14度と低くないので、
一気に飲むと胃がカーっと熱くなること必至だ。
カシスっぽい味のサンザシの自己主張が激しいので、
ストレートで飲むより、ロックやソーダ割りで飲むのがベター。
④威龍起泡酒(シャンパン)
中国語で「泡が起きる酒」と言い得て妙な、シャンパン。
その存在感に圧倒されるが、味はかなり薄めだ。
リンゴ酒が20%使われているこのお酒の色は、可愛らしいピンク。
また、味がニッキ水を薄めた感じに似ているところもあり、
懐かしい子どものころを思い出すきっかけとなる。
値段も手頃なので、祝いのシャンパンファイト用に買うのもありかも。
⑤大蔵秘・青稞干白酒(チベット・ハダカムギワイン)
欧州のワインの製法と
チベットの伝統的な酒「青稞酒(ハダカムギ酒)」の製法を融合し、
作り上げたお酒。
香りと味は、パイナップルのようであり、パンのようでもある不思議なもの。
またアルコール度数は9度だが、アルコールの存在感は余りない。
今まで味わったことのない感覚を、体感してみたい人は是非。
⑥枸杞酒(クコ酒)
赤い実のクコが描かれたキュートな外観からは、想像がつかないほど強い、
「白酒」がベースのお酒。
ウイスキーっぽい香りと喉越しに加え、クコの実の甘酸っぱい後味を愉しめる。
日本人にはちょっと度が強いので、ちびちび飲むのが吉だろう。
⑦張裕・金獎白蘭地(金賞ブランデー)
3ツ星がキラリと光る中国ブランデー。
1919年のパナマ博覧会で金賞を受賞したことから、
〝金獎〟という冠がついている。
ビターチョコレートのような香りと味わいがあり、序盤はさっぱり、
中盤以降にピリっとした感覚が訪れる。
4ツ星タイプのものもあるので、飲み比べてみよう。
~広東ジャピオン2014年3月17日号