広東ジャピオン特集11~中国の風邪にまつわる民間療法(中)

冬本番を迎えた広東。

皆さんの周りでも体調を崩し、「ゴホン、ゴホン」と咳き込む人が多いのでは?

そこで今回は、中国で行われている風邪の民間療法をドドンと紹介。

使える療法から、少し疑問符が浮かぶ療法まで、

「BODY&SOULメディカルクリニック」の古川裕三先生の解説・感想を交えつつ見ていこう。

 

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中国人の友達に、のどが痛いとか風邪引いたとか話すと、

喉をつねられ、黒ずんだことはないだろうか。

これは悪い血を出して体調を良くするという民間療法だが、

これについて古川先生は「つねるのは良くないですが、

中医学では痰を出し易くし血行を良くするため、

のど周りを優しくマッサージする治療法がある」という。

やり過ぎない程度にのどを揉んでみたいものだ。

 

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スイカとトマトをミキサーにかけて作る、ミックスジュースを飲む療法。

冬場はスイカを探すのが結構大変なのが玉にキズだが、

彩り豊かで、味もなかなかイケる。

効能の方もなかなかのようで、

「スイカは解熱作用があり、のどが痛い人に良く、

トマトもビタミンCが多く含まれていいですね」と古川先生。

熱っぽいときや食欲がないときに、水代わりに飲んでみたい。

 

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全身の疲れやストレスを軽減するという足浴。

そこで風邪を一気に治してしまおうという目論見か、

熱湯を使って足浴し大汗をかくという、かなり極端な療法が存在する。

いくら何でもこれはと思いつつ古川先生に尋ねると、

「余計に疲れるでしょうね」と逆効果になることを示唆してくれた。

風邪には疲労は良くないので、

適度な温度で足浴をして眠り、疲労回復に努めるが吉。

 

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中国で、スイーツとしても風邪の民間療法の食材としても有名な、蒸した梨。

日本人にはあまり馴染みがなく、独特の食感に面食らうかも知れないが、

「梨はのどを潤し、咳を止める作用があるので、とてもいいと思います」と、

古川先生もその効果に太鼓判を押す。

なお、梨の上部を繰り抜いて氷砂糖を入れ、

30分ほど蒸したものを食べるとより効果的とされる。

 

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のど飴を舐めるというのは、風邪でのどが痛いときによくする行為だが、

民間療法で生ニンニクを舐めるというものがある。

辛さがなくなるまで舐めるというが、

古川先生は「ニンニクは刺激が強く、胃の粘膜を傷つける恐れがあるので、

生のものは避けた方がいい」と危険シグナルを発する。

焼くなり料理に使うなりして、

解熱作用が期待できる方法で摂取するのがベター。

 

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お酢を飲み、臭いを嗅ぐことで、身体の中を殺菌するという療法。

掃除洗濯でカビ対策として用いられるお酢だが、風邪に対する効果や如何に?

お酢に関し、古川先生はこう解説する。

「酢を嗅ぐと唾液が出るので、口腔の清潔化には良いですね。

ただ臭いがかなり強いので、そのストレスを考えると…」と。

お酢によるストレスで風邪が悪化しない程度に、試してはいかが?

 

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飛び跳ねて汗をかくという、これまた極端な風邪治療法がある。

汗をかくのは風邪の治り始めと言われるので、良いことと思えなくもないが、

古川先生は予想通り「悪化するでしょう」とひと言。

エネルギーを大量に消費して、抵抗力が弱くなるのが目に見えているため、

オススメできないのだ。

適度に休み食事をしっかりとって、体力をつけるのが、回復の近道である。

 

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一部では、歯磨き粉をいわゆるこめかみにあるツボ・太陽穴に塗り込む

という療法が行われている。

太陽穴は歯痛や頭痛などの緩和に効果を発揮するというが、

古川先生曰く「目に入る危険性がありオススメできない」とする。

そもそも太陽穴で改善できるのは筋肉由来の痛みで、

風邪由来の痛みには意味を成さない。

あとはプラシーボ効果に期待するのみといったところか。

 

~広東ジャピオン2014年2月17日号

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