天然的生活 第50回 ~菖蒲(しょうぶ)

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菖蒲で心も身体も健やかに

北海道から九州まで、日本各地の水辺に美しい花を咲かせる菖蒲(しょうぶ)。

その芳しい香りは、気を静め、心を穏やかにしてくれる。

漢方医学では、精神を落ち着かせるなど、心に働く妙薬とされており、

「白菖」、「菖蒲根」という漢方薬になっている。

これらはストレスからくる肌荒れや不安症などによく用いられる。

 

中国では、薬膳酒やお茶にして飲まれることが多い。

「菖蒲薬膳酒」は、乾燥させた菖蒲をみじん切りにし、

砂糖を溶かしたお湯に白酒とともに入れて冷暗所に20日ほど置くとできあがる。

お茶は乾燥させた菖蒲を干し梅や黒糖、乾燥ナツメとともに、お湯で割るだけ。

これらの服用法は、安眠・安静・健忘症・暴飲暴食に効果があるという。

ただし、菖蒲の種類によっては吐き気を誘発するので、医師に相談のうえ服用すること。

 

経口摂取以外については、通常、葉や根、茎が入浴剤として利用される。

また、湿式サウナでは床に敷いて蒸すようにすると、

鎮痛効果のある芳香を放出するため、皮膚や呼吸器から体内に吸収することができる。

これは冷え症や肩こり、疲労痛に有効とされ、いずれも血液循環を促す作用による。

 

菖蒲を内と外から取り入れて、心も身体もリラックスしよう。

 

~広東ジャピオン2013年4月15日号

 

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