民族訪ねて三千里~マオナン族(毛南族)最終回

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勤勉さが生んだ文化

菖蒲の鳥が幸を運ぶ

 

広西チワン族自治区北西部の山間部に暮らすマオナン族。

非常に勤勉で手先の器用な民族として知られ、

〝土能生黄金(土は金を生み出す)〟という言葉を胸に、

農耕と牧畜に日々勤しむ。

今では米やサツマイモのほか、「マオナン菜牛」という牛肉が特産だ。

 

農耕を生業とする民族だけに、彼らの風習も農業に関わるものが多い。

代表的な行事が、毎年元宵節に行われる「放鳥飛」。

菖蒲の葉で鳥の形をした包みを作り、

もち米や小豆を詰めて蒸した後、屋内の台所に吊るすというものだ。

新年の幸福、家内安全を祈願するこの習俗には、

古くから伝わる伝説がある。

 

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1. 女性は「花竹帽」と呼ばれる竹で編んだ編笠を被る。農作業に適したズボン姿が特徴的

2. 面を被って踊る「木面舞」。歌、演奏、踊りで、人間の喜怒哀楽を表現

3. 重要な祭事の1つ「分龍節」では、マオナン菜牛を神に捧げる

 

「かつて、マオナン族の村に1人の法師とその娘がいた。

娘は菖蒲の葉で鳥を作ることに長けており、

周りから〝小鳥娘〟と呼ばれた。

ある日、娘は若い男と恋に落ち、新年に結婚することに。

法師は男を試すため、

全ての水田に稲の種を撒くよう男に命じたが、

男はうっかり稲とアワの種を取り違えてしまった。

法師に、誤って撒いた種を全て回収するよう命じられた男が

困り果てている様子を見た娘は、

菖蒲の葉で作った全ての鳥に息を吹きかけ、

男にこれらを野に放つよう言った。

男が言う通りにすると、鳥は男の手から羽ばたいて飛び出し、

種を拾い集めて戻ってきた。

法師は種が回収されたことを喜び、娘との結婚を認めた」

 

それ以来、村の全ての家庭が鳥を作り始め、

鳥が新たな幸福をもたらすとして、

元宵節に「放鳥飛」を行うことが風習となった。

この地を訪れ、空気が澄んだ高い山々と、

その斜面に広がる棚田を眺めながら、幸福の鳥を探してみたい。

 

~広東ジャピオン2014年1月13日号

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