独特の風貌を持つ虎
官吏の妻を斬り殺す
燕順は山東省煙台市莱州市に生まれ、牛や羊を売買する商人だった。
ある時、重税が科されて商売が立ち行かなくなり、
山東省の清風山を拠点とした山賊になった。
赤い髪に黄色い髭を蓄えた特異な容姿、
また、薙刀に似た武器「朴刀(ぼくとう)」の使い手で、
腕前も中々だったことから、「錦毛虎(きんもうこ)」と呼ばれ、畏怖された。
大基山は莱州市東部に位置する。
4000年以上の歴史を持ち、道教発祥の地の1つとされている
燕順が生まれた山東省煙台市莱州市。
山東半島北東部に位置する同市はかつて、
秦の始皇帝や漢代の武将・韓信(かんしん)など、
歴史上の名だたる人物が訪れた場所。
また、大理石の産地としても有名で、
その石を使った彫刻物の製造が盛んである。
この地を訪れ、水滸伝にその名を刻んだ、この錦毛虎の足跡を追ってみたい。
明代の学者、毛紀(もうき)が眠る毛紀墓。
彼は若くして科挙に合格し、皇太子の教育指導役を務めた
~広東ジャピオン2014年9月1日号